COVID-19:D-dimer高値例は予後不良

COVID-19:D-dimer高値例は予後不良_e0156318_10432667.png 既知の知見ですが、それらをまとめたものです。

・参考記事:COVID-19:D-dimerが高いと静脈血栓塞栓症リスクが高い

Sofia Vidali, et al.
D-dimer as an indicator of prognosis in SARS-CoV-2 infection: a systematic review.
ERJ Open Res. 2020 Jul 13;6(2):00260-2020.


背景:
 SARS-CoV-2は前血栓性変化を刺激する。内皮および肺構造に対するその屈性と相まって、血栓性イベント、肺ガス交換の減少、急性呼吸窮迫症候群(ARDS)、および複合エンドポイント(ICU入室、侵襲的換気、死亡)との関連が説明されるかもしれない。この研究は、D-dimerの上昇(間接的な血栓症マーカー)と予後不良に関連を調べ、D-dimerに基づいた抗凝固薬の投与について、また合併症予防の効果を調べることを目的とした。

方法:
 2020年3月13日から4月10日までの間に、電子データベース (PubMed, Google Scholar, Scopus, Web of Science, Cochrane)において、"D-dimer", "SARS-CoV-2", "COVID-19", "thrombosis", "ARDS"のキーワードを用いて文献検索をおこなった。3人の独立したレビュアーにより、選択された。ニューカッスル・オタワスケールにより質のアセスメントをおこなった。

結果:
 16研究が評価された。そのうち13研究が良質であるという基準に達した。D-dimerは健常者と比べてCOVID-19で上昇しており、また重症COVID-19患者のほうが軽症例よりも高かった。また、非ARDS例よりも、ARDS例のほうで高かった。生存したARDS患者ではD-dimerはその後減少していた( p<0.001)。抗凝固薬で治療されたCOVID-19患者は、治療を受けていない患者よりも死亡率が低かった(p=0.017)。

結論:
 COVID-19におけるD-dimerの上昇は、合併症の発生率と複合エンドポイントの増加の間に相関関係が存在する。






by otowelt | 2020-07-27 00:57 | 感染症全般

近畿中央呼吸器センター 呼吸器内科の 倉原優 と申します。医療従事者の皆様が、患者さんに幸せを還元できるようなブログでありたいと思います。原稿・執筆依頼はメールでお願いします。連絡先:krawelts@yahoo.co.jp


by 倉原優
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