IPFに対するピルフェニドン+吸入NACはピルフェニドン単剤よりアウトカムを悪化させる

IPFに対するピルフェニドン+吸入NACはピルフェニドン単剤よりアウトカムを悪化させる_e0156318_1033185.png これは意外でした・・・。

Sakamoto S, et al.
Pirfenidone plus inhaled N-acetylcysteine for idiopathic pulmonary fibrosis: a randomised trial
Eur Respir J. 2020 Jul 23;2000348. doi: 10.1183/13993003.00348-2020.


背景:
 日本におけるランダム化比較試験では、吸入N-アセチルシステイン(NAC)単剤治療は特発性肺線維症(IPF)患者の一部で努力性肺活量(FVC)の経時的減少を安定化させることが示されている。しかしながら、抗線維化薬と併用した場合の有効性と忍容性については不明である。

方法:
 48週間におよぶ多施設共同ランダム化オープンラベル第3相比較試験において、ピルフェニドン+吸入NAC(352.4mg)1日2回をピルフェニドン単剤治療と比較した。プライマリエンドポイントは、FVCの年間減少率とした。探索的有効性評価項目として、DLCO、6分間歩行距離(6MWD)、無増悪生存期間(PFS)、急性増悪の発生、忍容性をみた。

結果:
 合計81人がピルフェニドン+吸入NAC(41人)、ピルフェニドン(40人)に割り付けられた。48週間の平均FVC減少は、それぞれ-300mL、-123mLだった(差-178mL, 95%信頼区間-324~-31、p=0.018)。DLCO、6MWD、PFS、急性増悪の発生については有意な群間差はなかった。副作用イベントの発生 (ピルフェニドン+吸入NAC群:19人[55.9%]、ピルフェニドン単剤群:18人[50%])も同等だった。

結論:
 吸入NACとピルフェニドンの併用は、IPFのアウトカムを悪化させるかもしれない。




by otowelt | 2020-07-30 00:47 | びまん性肺疾患

近畿中央呼吸器センター 呼吸器内科の 倉原優 と申します。医療従事者の皆様が、患者さんに幸せを還元できるようなブログでありたいと思います。原稿・執筆依頼はメールでお願いします。連絡先:krawelts@yahoo.co.jp


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