
・参考記事:EVALI:電子たばこによる肺傷害の臨床的特徴
・参考記事:EVALI:電子たばこ関連肺傷害のほとんどはTHC含有製品が原因
Sarah Reagan-Steiner, et al.
Pathological findings in suspected cases of e-cigarette, or vaping, product use-associated lung injury (EVALI): a case series.
Lancet Respiratory Medicine, Available online 4 August 2020
背景:
2019年8月以降、アメリカ公衆衛生当局は、電子たばこまたはVaping製品使用に関連する肺傷害(EVALI)の全国的発生を調査している。生検で急性から亜急性の肺傷害と一致する組織学的パターンが観察されたが、剖検所見は体系的に特徴づけられていない。EVALI疑いでCDCに提出された剖検組織と生検組織の病理所見について説明する。
方法:
2019年8月1日から2019年11月30日までの間に、アメリカ16州から検体が提出され、CDCが受け取った肺生検組織(n = 10)および剖検組織(n = 13)の組織サンプルを調べた。電子たばこ、またはvapingの使用、呼吸器、消化器系、その他身体症状、胸部画像での陰影、原因不明の突然死の記録を新抄録から抽出し、組織病理学的に評価した。
結果:
21例がEVALIのサーベイランス症例定義に適合し、さらに2例の臨床的にEVALI疑いと評価された。10の肺生検はすべて、DADまたはOPを含む、急性から亜急性の肺傷害の組織学的証拠を示した。これらのパターンは、13例中9例(69%)の剖検例にも見られ、最も多かったのはDAD(8例)で、残り1例はAFOP(1例)だった。EVALIと必ずしも一致しない追加の肺の病理は、気管支肺炎、気管支への誤嚥、慢性間質性肺疾患などがあった。
結論:
急性から亜急性の肺傷害パターンが、EVALIが疑われる個人の肺生検検体10検体すべてと剖検検体のほとんどで観察された。電子たばこまたはvapingの使用歴がある個人でこのような病態が特定され、その他の原因がはっきりしない場合、EVALIを強く検討すべきである。