
MTXは肺の敵か...まさかの逆相関!
(一部抜粋)
今回の研究で、複製コホートを用いてもなお逆相関が認められたという結果は粛々と受け止めるべきである。少なくとも、「MTXはそこまでRA-ILDリスクを懸念すべき薬剤ではない」というのが真実ではないだろうか。ちょっとおイタをしてしまった芸能人がフルボッコされて二度と芸能界に復帰できないようなことが最近よくあるが、MTXもそのような位置付けに追いやられてしまった印象はある。
MTXを使用している患者の肺炎は、MTX肺傷害が第一であると考えてしまう。これは、ある疾患が、疾患を含む母集団を代表している状況では、その疾患の確率が高くなるという"代表性ヒューリスティック"の思考過程である。「MTX肺傷害も否定できない」という事実が、いつの間にか「肺傷害の原因である」という肯定へすり替わっていくのである。
RA-ILDに対するMTXは、おそらくそれほど怖がらなくてもよい、ただ、曇りなき眼で見定めたい。そういうスタンスで臨むのがよいだろう。