
・参考記事:日経メディカルオンライン「先生、助けて、体重が増えない」

Jin Hwa Song, et al.
Impact of body mass index on development of nontuberculous mycobacterial pulmonary disease
Eur Respir J . 2020 Aug 13;2000454.
背景:
肺非結核性抗酸菌症(NTM-PD)の発生と罹患は世界中で増加している。NTM-PDのリスクは栄養不足の集団で高くなる可能性がある。この研究では、BMIとその変化がNTM-PDの発症に及ぼす影響を解明すること目的とした。
方法:
2005年・2009年、2006年・2010年の40歳以上の韓国NHIS健診データを用いた後ろ向きコホート研究をおこなった。登録された個人はBMIに基づいて分類された。BMIグループごとおよびBMI変化ごとに10万人年あたりのNTM-PD発生率を比較した。
結果:
最終解析には合計567万229人が含まれた。BMI <18.5 の集団と比較して、NTM-PDの発生率はBMIの増加に伴って徐々に減少していることがわかった(BMI 18.5-22.9、補正ハザード比0.38[95%信頼区間0.35-0.42)、BMI 23-24.9:ハザード比0.17 [95%信頼区間0.15-0.19]、BMI 23-24.9:ハザード比0.1 [95%信頼区間0.09-0.11]、BMI≧30:ハザード比0.01 [95%信頼区間0.07-0.13])。BMIが4年間で1以上減少すると、NTM-PDの発生率が増加し(補正ハザード比1.08、95%信頼区間1.01-1.16)、BMIが1以上増加すると、NTM-PD発生率が減少した(補正ハザード比0.77、95%信頼区間0.71 -0.83。
結論:
BMIはNTM-PDの発症と反比例しており、体重減少はNTM-PDのリスクを上昇させた。