COPDに対するβ遮断薬は安全かつ有用

COPDに対するβ遮断薬は安全かつ有用_e0156318_1612633.png BLOCK COPDでは否定的な見解が出ていますが(N Engl J Med.2019;381:2304-14.)、まぁ要はMI後にβ遮断薬が投与できる状態かどうか、というバイアスも加味しなければならず。

Daniel B Rasmussen, et al.
Beta-blocker use and acute exacerbations of COPD following myocardial infarction: a Danish nationwide cohort study.
Thorax. 2020 Aug 20;thoraxjnl-2019-214206.


背景:
 心筋梗塞(MI)後のCOPD患者は、COPD増悪(AECOPD)の懸念からβ遮断薬の治療を過少に受けている。初回MIの後、β遮断薬はAECOPDのリスク上昇と関連しているだろうか?

方法:
 2003~2015年にMIで入院したCOPD患者のオランダの国内研究である。最長13年間の追跡中に処方された異なるβ遮断薬について多変量解析、時間依存性Cox回帰をおこなった。

結果:
 10884人のCOPD患者が初回MIの後退院した。1年AECOPD率は35%で、1年時点でβ遮断薬を用いていたのは65%だった。β遮断薬の使用は、AECOPDのリスク減少と関連していた(多変量補正ハザード比0.78, 95%信頼区間0.74-0.83)。この関連は、MIのタイプ(STEMI:ハザード比0.70, 95%信頼区間0.59-0.83、非STEMI0.80, 95%信頼区間0.75-0.84)、心不全の有無(ハザード比0.82, 95%信頼区間0.74-0.90、ハザード比0.77, 95%信頼区間0.72-0.82)、β遮断薬用量・種類と独立していた。%予測1秒量46%でほとんどが軽度の呼吸困難のあるCOPD患者1118人のデータを用いても同等だった。重症COPDで頻回にAECOPDがある1358人の1年AECOPD率は70%だった。

結果:

 β遮断薬は、MI後のAECOPDのリスク増加と関連していなかった。COPD重症度、症状、増悪歴とは独立しており、COPD患者におけるβ遮断薬の安全性を支持するものである。





by otowelt | 2020-10-02 00:15 | 気管支喘息・COPD

近畿中央呼吸器センター 呼吸器内科の 倉原優 と申します。医療従事者の皆様が、患者さんに幸せを還元できるようなブログでありたいと思います。原稿・執筆依頼はメールでお願いします。連絡先:krawelts@yahoo.co.jp


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