
Yueh-Ying Han, et al.
Serum free testosterone and asthma, asthma hospitalisations and lung function in British adults
Thorax. 2020 Aug 31;thoraxjnl-2020-214875.
目的:
高齢者における血清フリーテストステロンと喘息、喘鳴、喘息入院、肺機能との関係を調べた。
デザイン:
横断研究
場所:
イギリス
参加者:
2006~2010年に登録された、40~69歳の25万6419人の成人
主要評価項目:
多変量ロジスティックあるいは線形回帰を用いて、テストステロンと、医師が診断した喘息、喘鳴、喘息入院、肺機能評価の関連を調べた。関連については、血清エストラジオール、喫煙歴、他の共変量で補正した。
結果:
最も低い四分位(Q1)のフリーテストステロンを超えていた場合、女性(Q4 vs Q1:補正オッズ比0.67, 95%信頼区間0.64 to 0.71)および男性(同オッズ比0.87, 95%信頼区間0.82 to 0.91)のいずれにおいても喘息が有意に少なかった。喘息患者の間では、フリーテストステロンがQ1を超えている場合、現在の喘鳴についても有意に低かった(女性:補正オッズ比範囲0.78 to 0.87、男性:Q4 vs Q1:補正オッズ比0.86, 95%信頼区間0.77 to 0.95)。喘息女性において、フリーテストステロンがQ4におさまる患者は、1回以上の喘息入院が有意に少なかった。男性において、フリーテストステロンは1秒量および努力性肺活量と正の相関がみられた。女性において、フリーテストステロンは努力性肺活量とわずかながら逆相関していた。
結論:
イギリスの大規模研究では、フリーテストステロンの上昇は喘息、喘鳴のオッズ比を低下させ、女性では喘息入院を減らし、男性では肺機能を高くすることと関連していた。