IMPARA試験:自己免疫性肺胞蛋白症に対する吸入GM-CSFモルグラモスチム

IMPARA試験:自己免疫性肺胞蛋白症に対する吸入GM-CSFモルグラモスチム_e0156318_9102518.png IMPARA試験の結果がNEJMに報告されました。PAGE試験は、医師主導治験でした。

・参考記事:PAGE試験:軽症~中等症肺胞蛋白症に対するGM-CSF吸入療法

B.C. Trapnell, et al.
Inhaled Molgramostim Therapy in Autoimmune Pulmonary Alveolar Proteinosis
NEJM, DOI: 10.1056/NEJMoa1913590


背景:
 自己免疫性肺胞性蛋白症(aPAP)は、進行性のサーファクタント集積と低酸素血症を呈するまれな疾患である。肺胞マクロファージでのGM-CSFシグナル伝達が障害されることによって発症する。近年、吸入GM-CSF治療がaPAP患者のPaO2を改善することが示されている。

方法:
 二重盲検プラセボ対照3群比較試験において、遺伝子組み換えGM-CSFモルグラモスチム(1日1回300 μg吸入)を持続的あるいは間欠的(隔週)、またはプラセボを投与する群にランダムに割り付けた。オープンラベル拡大試験により24週間追跡された。プライマリエンドポイントは、24週時点でA-aDO2変化とした。

結果:
 138人の患者がランダム化され、46人が持続的モルグラモスチム群、45人が間欠的モルグラモスチム群、47人がプラセボ群に割り付けられた。動脈血液ガス分析測定中に経鼻酸素療法を受けていた4人の患者でA-aDO2が無効と判断された(モルグラモスチム群にそれぞれ1人ずつ、プラセボ群に2人)。24週時点でのA-aDO2は、持続的モルグラモスチム群と間欠的モルグラモスチム群のほうが、プラセボ群よりも有意に改善した(−12.8 mm Hg vs. −6.6 mm Hg; 推定治療差−6.2 mm Hg;P = 0.03)。持続的にモルグラモスチムを投与された患者は、セカンダリエンドポイントであるSGRQスコア変化(−12.4点 vs. −5.1点;推定治療差−7.4点; P = 0.01)をプラセボより改善させた。持続的モルグラモスチム群のほうが間欠的モルグラモスチム群よりも複数のエンドポイントを改善した。胸痛以外、副作用、重篤な副作用の頻度は同等であった(持続的モルグラモスチム群で多く観察された)。

結論:
 aPAP患者における毎日のモルグラモスチム吸入は、プラセボよりもガス交換能や機能的健康ステータスを改善する。副作用についてはプラセボと同等だった。



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by otowelt | 2020-09-11 00:21 | びまん性肺疾患

近畿中央呼吸器センター 呼吸器内科の 倉原優 と申します。医療従事者の皆様が、患者さんに幸せを還元できるようなブログでありたいと思います。原稿・執筆依頼はメールでお願いします。連絡先:krawelts@yahoo.co.jp


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