WILLOW試験:気管支拡張症に対するブレンソカチブ

WILLOW試験:気管支拡張症に対するブレンソカチブ_e0156318_17393147.png 喀痰で困っている人に有効な治療法だとありがたいですね。

James D Chalmers, et al.
Phase 2 Trial of the DPP-1 Inhibitor Brensocatib in Bronchiectasis
N Engl J Med. 2020 Sep 7. doi: 10.1056/NEJMoa2021713.


背景:
 気管支拡張症は好中球性炎症に関連すると思われる頻回な増悪を起こす。好中球エラスターゼを含む好中球セリンプロテアーゼの活性と量は、気管支拡張症患者の喀痰を増悪させ、さらなる増悪を起こす。ブレンソカチブ(Brensocatib、INS1007) は、好中球セリンプロテアーゼの活性を担う酵素であるジペプチジルペプチダーゼ1(DPP-1)の可逆的経口阻害剤である。

方法:
 第2相二重盲検ランダム化プラセボ対照比較試験において、過去1年に少なくとも2回増悪を起こした気管支拡張症患者をランダムに1:1:1の割合で、プラセボ、10mgブレンソカチブ、25mgブレンソカチブを1日1回24週間投与する群に割り付けた。初回増悪までの期間(プライマリエンドポイント)、増悪率(セカンダリアウトカム)、喀痰中好中球エラスターゼ活性、安全性が調べられた。

結果:
 256人の患者のうち、87人がプラセボ群、82人が10mgブレンソカチブ群、87人が25mgブレンソカチブ群に割り付けられた。初回増悪までの期間の25パーセンタイル値は、プラセボ群67日、10mgブレンソカチブ群134日、25mgブレンソカチブ群96日だった。プラセボ群と比較してブレンソカチブは初回増悪までの期間を有意に延長した(10mg:P = 0.03、25mg:P = 0.04)。プラセボと比較した増悪の補正ハザード比は10mgブレンソカチブ群0.58(95%信頼区間0.35-0.95)、20mgブレンソカチブ群0.62 (95%信頼区間0.38-0.99)だった。罹患率比は、10mg群0.64(95%信頼区間0.42-0.98)、25mg群0.75 (95%信頼区間0.50-1.13)だった。ブレンソカチブ群では、喀痰中好中球エラスターゼ活性が24週間の治療期間で減少した。プラセボと比較して、歯、皮膚の副作用の頻度が高かった。

結論:
 24週間の試験において、気管支拡張症患者に対するブレンソカチブは、プラセボと比較して好中球セリンプロテアーゼ活性が減少し、臨床アウトカムが改善した。





by otowelt | 2020-10-04 00:14 | 呼吸器その他

近畿中央呼吸器センター 呼吸器内科の 倉原優 と申します。医療従事者の皆様が、患者さんに幸せを還元できるようなブログでありたいと思います。原稿・執筆依頼はメールでお願いします。連絡先:krawelts@yahoo.co.jp


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