自然気胸の術後に胸腔ドレーンを留置しない選択肢
2020年 10月 29日

Kawaguchi Y, et al.
Feasibility of early removal of chest tube in the operating room for spontaneous pneumothorax: A prospective randomized controlled study
Asian J Surg. 2020 Sep 10;S1015-9584(20)30256-6.
背景および目的:
外科手術後の胸腔ドレナージは、疼痛や入院期間の増加をもたらす。特に、高齢者よりも若年者で術後疼痛が大きくなりやすい。それゆえわれわれは、胸腔ドレーンの留置の適応について議論する必要があると考えた。この研究の目的は、胸腔ドレーン留置なしで術後マネジメントをおこなう安全性と利点を明らかにすることである。
方法:
自然気胸に対してブラ切除受けた患者(15~40歳)を、前向きに術後胸腔ドレーンを留置する群としない群にランダム化した。外科手術マネジメントおよび術後疼痛マネジメントはわれわれの施設基準に基づいて行われた。
結果:
42人の患者で、再発がみられたのは胸腔ドレーン留置群の抜去翌日1例のみだった。術後疼痛は、鎮痛剤頓服が少ないにもかかわらず、胸腔ドレーンを留置なし群が有意に低かった(図)。


術後の平均入院期間は胸腔ドレーン留置群が2.5日で、非留置群よりも長かった(vs 1.2日、p<0.001)。
結論:
われわれの選択症例と外科手術プロトコルは、臨床的に有用であり術後疼痛コントロールにも寄与した。
by otowelt
| 2020-10-29 00:37
| 呼吸器その他