肥満喘息は、過剰治療を受けやすい?

肥満喘息は、過剰治療を受けやすい?_e0156318_9473145.png 当院も肥満喘息に対してやはり多くICS/LABAが導入されていることが多い印象です。

Cherry A Thompson, et al.
Asthma medication use in obese and healthy weight asthma: systematic review/meta-analysis
Eur Respir J. 2020 Sep 17;2000612.


背景:
 肥満は喘息における一般的な併存症であり、喘息コントロールの低下、頻繁・重度の増悪、喘息薬物療法への反応の低下と関連している。

目的:
 このレビューは、肥満(BMI≧30kg/m2)および健常体重(BMI <25 kgm2)の喘息患者におけるすべての喘息薬物療法を比較すること。

デザイン:
 2019年7月までのCINAHL、コクラン、EMBASE、MEDLINEを含むデータベースで、喘息のある肥満および健常体重の成人の薬物使用や用量を記録した英語文献が検索された。適格研究の質を精査するために、評価チェックリストが利用された。メタアナリシスがおこなわれ、異質性が調べられた。

結果:
 メタアナリシスにより、肥満の被験者は喘息治療薬を使用する可能性が高いことがわかった。短時間作用性β2刺激薬(健常体重の被験者と比較したオッズ比1.75; 95%信頼区間1.17-2.60、p=0.006、I2=41%)および維持経口ステロイド(オッズ比1.86; 95%信頼区間1.49-2.31; p <0.001、I2= 0%)。ICS用量は、肥満の被験者で有意に高かった(平均差208.14μg; 95%信頼区間107.01-309.27; p <0.001、I2= 74%)。予測FEV1%は肥満の被験者で有意に低かった(平均差-5.32%、95%信頼区間-6.75~-3.89、p <0.001、I2= 42%)。ただし1秒率では有意差はなかった。

結論:
 喘息のある肥満者は、すべての喘息薬物治療クラスの使用が多く、ICS用量が多いことがわかった。この喘息サブグループの転帰を改善する上で、薬物使用の増加を促進する要因をよりよく理解する必要がある。





by otowelt | 2020-11-02 00:39 | 気管支喘息・COPD

近畿中央呼吸器センター 呼吸器内科の 倉原優 と申します。医療従事者の皆様が、患者さんに幸せを還元できるようなブログでありたいと思います。原稿・執筆依頼はメールでお願いします。連絡先:krawelts@yahoo.co.jp


by 倉原優
カレンダー
S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31