PPFEとIPFの比較

PPFEとIPFの比較_e0156318_10545513.png 日本ではWatanabeらが診断基準を提唱しています(Respir Investig. 2019 Jul;57(4):312-320.)。

Suzuki Y, et al.
Disease course and prognosis of pleuroparenchymal fibroelastosis compared with idiopathic pulmonary fibrosis
Respir Med. 2020 Sep;171:106078.


背景:
 特発性PPFEは、特徴的な放射線学的および病理学的所見を有するまれな間質性肺疾患である。ただし、病理学的評価は限定的な患者でしか報告されていない。ゆえに、複数の臨床診断基準が提案されている。それにもかかわらず、これらの基準の妥当性はまだ検証されていない。また、iPPFEの臨床経過とその予後はまだ完全には解明されていない。

方法:
 本研究では、病理学的に診断されたiPPFE(p-iPPFE)と臨床的に診断されたiPPFE(c-iPPFE)の臨床的特徴を比較することにより、過去に提案された臨床診断基準を評価した。その後、iPPFEの臨床的特徴を特発性肺線維症(IPF)と比較した(IPF患者、323人)。

結果:
 c-iPPFE(27人)とp-iPPFE(35人)の臨床的特徴は類似していた。 c-iPPFEとp-iPPFEの予後について、有意差は観察されなかった。肺癌を発症したiPPFE患者(c-iPPFEとp-iPPFEの両方)の患者数は、IPF患者の患者数よりも有意に少なかった。ただし、急性増悪(AE)は、iPPFEとIPFの患者で同様の発生率だった。 iPPFE患者の生存率はIPF患者よりも著しく低く(5年生存率:38.5% vs 63.5%、p <0.0001)(図)、死亡の原因は、慢性呼吸不全が最も多く(73.8%)、AE(14.3%)がそれに続いた。男性は、iPPFEの唯一の予後不良因子だった。
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(生存:文献より引用)

結論:
 本研究では、iPPFEの臨床診断の効率を実証し、マネジメントに考慮すべきiPPFEの臨床的重要性も明らかにした。





by otowelt | 2020-10-15 00:15 | びまん性肺疾患

近畿中央呼吸器センター 呼吸器内科の 倉原優 と申します。医療従事者の皆様が、患者さんに幸せを還元できるようなブログでありたいと思います。原稿・執筆依頼はメールでお願いします。連絡先:krawelts@yahoo.co.jp


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