SCOPE試験:日本人COPDに対するチオトロピウム/オロダテロールの身体活動性に対する効果

SCOPE試験:日本人COPDに対するチオトロピウム/オロダテロールの身体活動性に対する効果_e0156318_1312221.png スピオルト®についてです。

Takahashi K, et al.
First-Line Treatment with Tiotropium/Olodaterol Improves Physical Activity in Patients with Treatment-Naïve Chronic Obstructive Pulmonary Disease
Int J Chron Obstruct Pulmon Dis . 2020 Sep 14;15:2115-2126.


背景:
 治療歴がないCOPD患者では、1剤気管支拡張薬と2剤気管支拡張薬の身体活動性に対する効果比較は不明なままである。治療歴がないCOPD患者を対象に、チオトロピウムおよびチオトロピウム/オロダテロール治療前後の身体活動性の変化を比較した。

方法:
 前向き多施設ランダム化オープンラベル並行介入研究が実施された。治療歴がないCOPDの日本人患者80人をランダムに選び、チオトロピウムまたはチオトロピウム/オロダテロールのいずれかの治療を12週間受けた。スパイロメトリーと呼吸困難指数を評価し、COPD評価テスト(CAT)と6分間の歩行距離(6MWD)を治療前後に実施した。身体活動性の評価は、治療の前後2週間にわたって3 軸加速度計によって評価された。

結果:
 平均年齢(69.8対70.4歳)、BMI(22.5 vs 22.6 kg /m2)、%1秒量(61.5% vs 62.6%)にベースラインの差はなかった。チオトロピウム/オロダテロール治療前後のFEV1(平均±標準誤差、242.8±28.8 mL)および呼吸困難指数(TDI)(2.4±0.3ポイント)の変化は、チオトロピウム単剤(104.1±31.9 mL、p <0.01および1.5±0.3、p = 0.02)より大きかった。座位での1.0~1.5MET(座位行動)での身体活動時間の変化は、チオトロピウム/オロダテロール治療のほうがチオトロピウム単独よりも顕著な傾向にあった(-38.7±14.7分 vs -4.6±10.6分、p=0.06)。しかし、2.0 MET以上については、両方の治療で数値的に増加した(チオトロピウム/オロダテロールの場合+10.8±7.6分 vs チオトロピウム+8.3±7.6分、p = 0.82)。年齢、1秒量、CATスコア、6MWD、TDIなどの交絡因子で補正した多変量回帰モデルでは、チオトロピウム/オロダテロールは1.0-1.5METの身体活動時間の減少と関連していた(回帰係数-43.6 [95%信頼区間-84.1~-3.1]、p=0.04).

結論:
 これは、BMIが低い日本人における治療歴がないCOPD患者の身体活動に対する2剤気管支拡張薬の効果を報告した最初の研究である。




by otowelt | 2020-11-10 00:13 | 気管支喘息・COPD

近畿中央呼吸器センター 呼吸器内科の 倉原優 と申します。医療従事者の皆様が、患者さんに幸せを還元できるようなブログでありたいと思います。原稿・執筆依頼はメールでお願いします。連絡先:krawelts@yahoo.co.jp


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