
12年間、9割近くが肥満が治らずという現状・・・。喘息の問題よりも大きな問題。
背景:
横断研究により、肥満は喘息のアウトカム不良と関連しているが、肥満が喘息に与える長期的影響は不明なままである。
目的:
経口ステロイド(OCS)の使用と呼吸器関連の入院に焦点を当てて、成人発症喘息が診断された時の肥満がその後12年の予後に及ぼす影響を研究した。
方法:
成人発症喘息と診断された患者203人は、BMIに基づいて3群に分類され(<25、25-29.9、≧30)、12年間追跡された。自己申告および処方歴に基づいたOCSについても評価された。入院に関するデータは、診療録に基づいて分析された。
結果:
診断から12年後、当時肥満であったBMI≧30の患者のうち、86%が肥満のままだった。追跡中に、BMIカテゴリーにおける体重変化に有意な差はみられなかった。12年間の追跡によれば、診断時肥満だった患者は、正常体重の患者と比較すると、OCS使用がより頻繁に報告され(46.9% vs 23.1%、p = 0.028)、OCSがより頻繁に処方され(81.6% vs 56.9%、p = 0.014)、より高用量のOCSが使用され(プレドニゾロン中央値1350mg[IQR 280-3180mg] vs 600mg[IQR0-1650mg]、p = 0.010)。肥満は、正常体重の患者と比較して、呼吸関連の入院が1回以上で頻度が高かった(38.8% vs 16.9%、p = 0.033)。多変量ロジスティック回帰分析では、肥満はOCS使用と入院を予測する因子であった。
結論:
成人発症喘息では、診断時に肥満だった患者は、ほとんどが長期的に肥満のままであり、12年間の追跡期間中、正常体重の患者と比較してより多くの喘息増悪と呼吸関連入院が報告された。これを防ぐために、減量は優先されるべきである。