北アメリカにおける喀血の疫学


背景:
 重大な喀血は、患者と臨床医の両方にとって恐ろしい出来事である。このテーマに関するデータはまだ不足している。

方法:
 これは、三次病院における5年間の追跡において、1日50mLを超える喀血で入院した患者の後ろ向き解析である。患者の臨床的特徴、喀血の原因、マネジメント、アウトカムが調べられた。喀血は50-200mL/日のものを中等症、200mL/日を超えるものを重症と定義した。

結果:
 165人の中等症~重症喀血患者が入院し、解析に組み込まれた。肺癌が30.3%と最も多い原因であり、次に気管支拡張症が27.9%と多かった()。
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. 喀血とその原因(文献より引用)

BAEがもっとも治療アプローチとして多かった(61.8%)。全体の73.5%で止血が得られた。院内死亡率は13.9%で、中等症3.3%、重症24.7%と開きがみられた。より重症の出血のある患者に好まれるアプローチであるが、初回BAE療法は非BAE療法と比較して死亡率が低くなる傾向にあった。

結論:
 われわれの集団では、中等症~重症の喀血は肺癌と気管支拡張症によるものが主だった。BAEは重要なマネジメントツールである。




by otowelt | 2020-11-23 00:47 | 呼吸器その他

近畿中央呼吸器センター 呼吸器内科の 倉原優 と申します。医療従事者の皆様が、患者さんに幸せを還元できるようなブログでありたいと思います。原稿・執筆依頼はメールでお願いします。連絡先:krawelts@yahoo.co.jp


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