AIRFLOW-2試験:COPDに対するTLDのランダム化比較試験
2020年 12月 04日
背景:
COPD増悪は、最適な治療法を適用しているにもかかわらず、臨床アウトカムを悪化させ医療費を増加させる。副交感神経系の呼吸器系の神経支配を破壊する新しい気管支鏡治療であるTLD(Targeted Lung Denervation )は、コリン作動性の臨床的影響とCOPD増悪への影響を軽減するために開発された。AIRFLOW-2研究では、中等度~重度の症候性COPDの被験者を対象に、偽(sham)気管支鏡検査あるいはTLDについて、ランダム化の2年間を追跡し安全性と有効性を評価した。
方法:
TLDは、COPD患者(%1秒量30〜60%、CAT≧10あるいはmMRC≧2)に対して、1:1の二重盲検多施設研究において偽気管支鏡検査と比較検討された。TLDはアメリカNuvaira社のものを用いた。コントロール群の被験者にTLDを受ける機会が提供されるまで盲検化された。中等症~重症COPD増悪までのtime-to-event解析がおこなわれた。
結果:
82人の被験者(%1秒量 41.6±7.4%、50.0%が男性、平均年齢63.7±6.8歳、前年入院頻度24%)がランダム化された。初回の重症COPD増悪までの期間は、ランダム化後2年時点においてTLD群で有意に延長した(p = 0.04、ハザード比0.38)、中等症・重症のCOPD増悪のまとめた解析においても同様の減少傾向があった(p = 0.18、ハザード比0.71)。ランダム化後2年時点において、肺機能またはSGRQ-Cに有意な変化はなかった。
結論:
ランダム化試験において、TLDは2年間にわたり重症のCOPD増悪リスクが大きく低下するという効果をしめした。また、TLDによる肺機能とQOLの効果も安定していた。
by otowelt
| 2020-12-04 00:44
| 気管支喘息・COPD