PM/DM-ILDに対するプレドニゾロン+タクロリムス

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背景および目的:
 PM/DM-ILDに対する全身性ステロイドとカルシニューリン阻害薬(CNI)である、タクロリムス(TAC)またはシクロスポリンA(CsA)の併用療法の有効性が証明されている。ただし、PM/DM-ILD患者の初期治療に、どのCNIを用いるべきかはわかっていない。

方法:
 多施設共同ランダム化第2相試験を実施した(52週間)。PM/DM-ILD患者は、プレドニゾロンとTAC(TAC群)またはプレドニゾロンとCsA(CsA群)を投与されるようランダム化された。主要評価項目は、52週でのITT集団における無増悪生存率とした。副次的評価項目として、52週での全生存率、ベースラインから52週の肺機能検査変化、副作用をみた。

結果:
 58人の患者がTAC群(n = 30)とCsA群(n = 28)にランダム化された。52週時点での無増悪生存率は、TAC群で87%、CsA群で71%だった(P = 0.16)。全生存率は、TAC群97%、CsA群93%だった(P = 0.50)。 %FVCは、両群で有意に改善した。副作用のために治療を中止した患者はいなかった。

結論:
 PM/DM-ILDに対するプレドニゾロン+TAC治療は、プレドニゾロン+CsAと比較して無増悪生存を改善させた。これらの治療の有効性と安全性を評価するためにさらなる研究が望まれる。




by otowelt | 2020-12-06 00:12 | 膠原病

近畿中央呼吸器センター 呼吸器内科の 倉原優 と申します。医療従事者の皆様が、患者さんに幸せを還元できるようなブログでありたいと思います。原稿・執筆依頼はメールでお願いします。連絡先:krawelts@yahoo.co.jp


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