気管支鏡検査は慢性咳嗽の精査に有用ではない?

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 気管の生検で好酸球増多が認められるケースもそれなりにあるとは思っているのですが・・・。悩ましい。
 異物や気管支腫瘍の症例があるため、気管支鏡検査を推奨する文献もあります(J Thorac Dis . 2020 Sep;12(9):5238-5242.)。


背景および目的:
 咳嗽は呼吸器科医に報告されるよくある症状の1つである。慢性咳嗽の診断における気管支鏡検査の役割は明確に定義されていない。この研究の目的は、成人の慢性咳嗽の鑑別診断において、軟性気管支鏡検査と検査中に収集された検体の有用性を評価することである。

方法:
 これは単一施設の後ろ向き研究である。7115の気管支鏡検査から、咳嗽の診断のためにおこなわれた198検査を抽出した。

結果:
 198検査のうち、121人が女性で、77人が男性だった。年齢中央値は51.5歳だった。
咳嗽に対する気管支鏡検査の40.9%で、原因は判明しなかった。慢性気管支炎所見が57.6%に存在したが、それ以外で慢性咳嗽の原因が明らかになったのは3例(1.5%)のみだった(腫瘍、気管支ポリープ、気管気管支軟化症)。結核菌または非結核性抗酸菌はどの検体でも同定されなかった。気管支肺胞洗浄(BAL)の細胞診の91.1%で、少なくとも1分画以上の細胞数異常が検出されたが、好酸球の割合が増加した場合にのみ、臨床的に関連があると考えられる。
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図. 慢性咳嗽の原因(文献より引用)

結論:
 本研究の結果は、気管支鏡で得られた検体が慢性咳嗽の鑑別診断において有用なツールとはいえず、気管支鏡検査が濫用される懸念を示している。






by otowelt | 2020-12-29 00:47 | 気管支鏡

近畿中央呼吸器センター 呼吸器内科の 倉原優 と申します。医療従事者の皆様が、患者さんに幸せを還元できるようなブログでありたいと思います。原稿・執筆依頼はメールでお願いします。連絡先:krawelts@yahoo.co.jp


by 倉原優