本の紹介:理論疫学者・西浦博の挑戦-新型コロナからいのちを守れ!
2020年 12月 12日
「8割おじさん」こと西浦先生の本。実直で、天才で、とてもやさしい人だと思います。私は感染症数理について、呼吸器内科でいえば肺が5葉ありますというほどの知識しかありませんが、この本には難しい話は出てきません。端的に書くなら「クラスター対策班活動日記」です。
餃子の王将の話と、おかし・カップラーメン無限大の話はゲラゲラ笑いました。
餃子の王将の話と、おかし・カップラーメン無限大の話はゲラゲラ笑いました。
帯には「僕には脅迫状が届き、生まれて初めて殺害予告を受けました」という驚きの文言が。「これ映画化できますやん!」とワクワクしつつ読み始めました。
西浦先生は2020年1月の段階で、すでに北海道から東京へ上京していたそうです。感染症学やウイルス学の専門家の間で「どうもこれはおかしいぞ」という情報が流れ始め、パンデミックに陥る可能性が危惧されていました。国民がそれを意識しだしたのは、もっと後のことです。
当初は足並みを揃えていたクラスター対策班と厚労省ですが、次第にそのボタンが掛け違っていく様が記録されています。「これって書いて大丈夫なんですか!?」と思う記述も結構あった。ラッセル・クロウが数学者を演じた『ビューティフル・マインド』と同じく、実は幻覚だったというオチになってほしいくらい、ひどい仕打ちもありました。

西浦先生は、自分自身の知が武器であることを分かっておられます。しかし世の中には、自分がその分野に無知であることを知りながら、蓋をして、背伸びする連中がいる。残念ながら、そういう人たちが専門家のハードルになってしまうことがある。私は、感染症数理の仔細を理解するだけの素地がなく、その無知を知っているからこそ、彼らを心から応援したい。
by otowelt
| 2020-12-12 10:02
| 感染症全般










