
プレドニゾロンはともかく、テオフィリンのエビデンスがほぼ潰えた形ですね。Medical Tribuneでも一度取り上げたことがあります(JAMA . 2018 Oct 16;320(15):1548-1559.)。
・参考記事:テオフィリンはもはや時代遅れなのか
背景:
低中所得国におけるCOPDの医療負担は大きい。安価な経口薬は、効果があれば、利用しやすく効率的なCOPD治療を提供できるかもしれない。
方法:
このランダム化3群比較ダブルダミープラセボ対照試験は中国における37施設でおこなわれた。中等症~超重症COPD患者は1:1:1の割合で、低用量テオフィリン100mg1日2回+プレドニゾロン5mg1日1回、低用量テオフィリン100mg1日2回+プラセボ1日1回、プラセボ1日2回+プラセボ1日1回に48週間割り付けられた。プライマリエンドポイントは年間COPD増悪率とした。
結果:
1670人がランダム化され、1242人が試験を完遂した(1142人の48週間時データが有効)。被験者は75.7%が男性で平均年齢は64.4歳だった。ベースラインの気管支拡張後1秒量は1.1±0.4Lで、%予測値は42.2%だった。平均SGRQスコアは45.8±20.1だった。3群の間の年間COPD増悪率は無視できるほど小さいものであった。(低用量テオフィリン+プレドニゾロン群0.89(95%信頼区間0.78-1.02) vs 低用量テオフィリン+プラセボ群0.86(95%信頼区間0.75-0.99)、プラセボ+プラセボ群1.00(95%信頼区間0.87-1.14)。各群の比較における率比にも有意差はなかった。セカンダリアウトカムである入院、1秒量、SGRQスコア、CATスコアにも有意差はなかった。COPD増悪以外の重篤な有害事象に差はみられなかった。
結論:
低用量テオフィリン単独あるいはプレドニゾロンとの併用は、年間COPD増悪率や臨床的に妥当性のあるアウトカムに有意な影響をもたらさなかった。