COVID-19:生物学的製剤を使用している重症喘息患者のアウトカムは不良?

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 生物学的製剤を使用している患者がそもそも重症であるという可能性は残りますね。

背景:
 喘息および喘息治療薬が重症COVID-19のリスクを増加させるか減少させるかは不明であり、生物学的製剤を投与されている重症喘息患者では特にそうである。

目的:
 この研究の目的は、一般的なオランダ人集団のCOVID-19データと比較して、生物学的製剤(オマリズマブ、メポリズマブ、レスリズマブ、ベンラリズマブ、デュピルマブ)の投与を受けている重症喘息患者におけるCOVID-19の発生率と疾患経過を評価することである。

方法:
 COVID-19は、オランダの重症喘息レジストリRAPSODIに登録している15病院において、喘息専門家によって診断された症例を前向きに登録した。併存症、COVID-19疾患の進行、喘息悪化など、患者の特徴に関するデータが収集された。次に、調査結果を一般的なオランダ人集団COVID-19データと比較した。

結果:
 RAPSODIレジストリのうち、生物学的製剤の投与を受けた634人の重症喘息患者のうち、9人(1.4%)がCOVID-19と診断された。 7人の患者(1.1%)は酸素療法のために入院を必要とし、そのうち5人は挿管・人工呼吸器のために集中治療室に入室した。1人の患者が死亡した(0.16%)。挿管された全患者は、1つ以上の併存症を有していた。COVID-19関連入院と挿管のオッズ(95%信頼区間)は、オランダの一般人集団と比較して、それぞれ14(6.6-29.5)倍、41(16.9-98.5)倍高かった。

結論:
 生物学的製剤を使用している重症喘息患者は、オランダの一般人集団と比較して、COVID-19が重度な経過になりやすかった。併存症、喘息性気道炎症の重症度、生物学的製剤の使用、あるいはこれらの組み合わせが原因かもしれない。




by otowelt | 2021-01-05 00:51 | 感染症全般

近畿中央呼吸器センター 呼吸器内科の 倉原優 と申します。医療従事者の皆様が、患者さんに幸せを還元できるようなブログでありたいと思います。原稿・執筆依頼はメールでお願いします。連絡先:krawelts@yahoo.co.jp


by 倉原優
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