特発性PPFEにおける気胸の臨床的特徴
2021年 02月 01日
PPFEの気胸について。
背景:
特発性PPFEは、主に上葉胸膜および胸膜下の実質における線維症を特徴とする、まれな形態の特発性間質性肺炎である。気胸は、PPFE患者の主要な呼吸器合併症の1つである。ただし、その臨床的特徴はよくわかっていない。
目的:
特発性PPFE患者の気胸の合併症を調査することを目的とした。
方法:
特発性PPFEと診断された89人の患者を対象とした後ろ向き多施設共同研究が実施された。特発性PPFEの診断後、気胸の累積発生率、臨床的特徴、リスク因子を調査した。
結果:
気胸は53人の患者(59.6%)で発症し、観察期間(41.8±35.0ヶ月)中に120件のイベントが発生した。気胸の累積発生率は、1年、2年、3年でそれぞれ24.8、44.9、53.9%だった。気胸のほとんどのイベントは無症候性であり(n = 85; 70.8%)、気胸サイズは小さかった(n = 92; 76.7%)。 30人の患者(56.6%)に再発性気胸がみられた。23件のイベント(19.2%)で胸腔ドレナージを要し、13件(56.5%)で持続的エアリークが観察された。気胸の患者は主に男性で、PPFEの病理学的診断がくだされており、気胸および全身性ステロイド使用歴が多かった。また、気胸がない患者よりも気胸がある患者のほうが生存率が有意に低かった(p = 0.001)。多変量解析により、より高いRV/TLC比が診断後の気胸発症と有意に関連していることがわかった。
結論:
気胸は、特発性PPFEの患者では無症候性で再発することが多く、場合によっては転帰不良につながる。
by otowelt
| 2021-02-01 00:21
| 呼吸器その他