非侵襲性換気患者におけるデクスメデトミジン
2021年 02月 05日
臨床研究において、急性呼吸不全(ARF)患者の非侵襲性換気(NIV)の快適性と忍容性を改善する戦略としてデクスメデトミジンが評価されているが、結論がついていない。
リサーチクエスチョン:
ICUにおけるARFでNIVを適用された患者において、デクスメデトミジンが他の鎮静剤またはプラセボと比較して、せん妄、死亡、挿管・人工呼吸の必要性、ICU滞在期間(LOS)のリスクを軽減するかどうかを判断した。
試験デザインおよび方法:
2020年7月31日までMEDLINE、EMBASE、Cochrane Libraryの文献を検索した。ランダム効果モデルを使用して、相対リスク(RR)と連続変数の平均差(MD)を算出した。
結果:
12件のRCTが最終分析に含まれた(n = 738人)。デクスメデトミジンの使用は、他の鎮静戦略またはプラセボと比較して、挿管(RR0.54、95%信頼区間0.41〜0.71、中等度の確実性)、せん妄(RR 0.34、95%信頼区間0.22〜0.54、中等度の確実性)、ICU LOS(平均差-2.40日、95%信頼区間-3.51〜-1.29、低い確実性)のリスクを減少させた。また、デクスメデトミジンの使用は、徐脈(RR 2.80、95%信頼区間1.92〜4.07、中等度の確実性)および低血圧(RR 1.98、95%信頼区間1.32〜2.98、中程度の確実性)のリスク増加と関連していた。
結論:
他の鎮静戦略やプラセボと比較して、デクスメデトミジンはせん妄のリスクと機械的人工呼吸の必要性を減らし、徐脈と低血圧のリスクを高めた。さらに大きなRCTが必要である。
by otowelt
| 2021-02-05 00:36
| 集中治療