COVID-19:軽症者に対するコルヒチン
2021年 01月 31日

サブグループ解析をみると、有意差がついていないようです。死亡単独・入院単独でも有意差なし。琉球大学と横浜市立大学のグループが、コルヒチンによるCOVID-19の重症化予防を検証する医師主導治験を行っています。
知り合いが飲んでいるのですが、下痢がネック。
知り合いが飲んでいるのですが、下痢がネック。
背景:
エビデンスによると、COVID-19合併症では炎症性ストームが役割を果たしている。コルヒチンは、痛風、心膜炎、冠状動脈疾患に有益な経口投与の抗炎症薬である。
方法:
PCR検査または臨床基準によって診断されたCOVID-19の非入院患者を対象としたランダム化二重盲検試験を実施した。 患者は、コルヒチン群は、初期3日間0.5mg1日2回、その後0.5mg1日1回で、トータル30日間投与とした。プラセボ群も同様レジメンで投与された。
24時間以内にCOVID-19と診断され、診断時に入院が不要であると判断された40歳以上成人患者で、重症化リスク(70歳以上、BMI30以上、糖尿病、高血圧[コントロール不良150mmHg以上]、呼吸器疾患・心不全、冠動脈疾患合併、48時間以上続く38.4℃以上の発熱、呼吸困難あり)が1以上ある患者を登録。登録者は症状発症から平均5.3日経過していた。
主要有効性エンドポイントは、COVID-19の死亡または入院の複合とした。セカンダリアウトカムは30日後までの死亡、COVID-19による入院、人工呼吸器装着とした。
結果:
主要アウトカムである30日後の死亡または入院は、コルヒチン群4.7%(2235人中104人)、プラセボ群5.8%(2253人中131人)で、コルヒチン群でリスクは21%減少したが、有意差はなかった(オッズ比0.79、95.1%信頼区間0.61-1.03、P=0.08)。
鼻咽頭ぬぐい液PCR検査で確定された4159人(本研究には臨床診断も含まれている)を対象とした解析では、主要アウトカムはコルヒチン群4.6%(2075人中96人)、プラセボ群6.0%(2084人中126人)で、リスク減少は25%(オッズ比0.75、95%信頼区間0.57-0.99、P=0.04)だった。ただし、複合アウトカムではなく死亡あるいは入院をそれぞれ単独でみると有意差はついていない(オッズ比0.56 、95%信頼区間0.19-1.66、オッズ比0.75、95%信頼区間0.57-0.99)。
30日後の入院はコルヒチン群4.5%、プラセボ群5.9%で25%の有意なリスク減少となった(オッズ比0.75、95%信頼区間0.57-0.99)。
結論:
入院していないCOVID-19患者の中で、コルヒチンは死亡または入院の複合率を低下させる。
by otowelt
| 2021-01-31 00:14
| 感染症全般