軽症中等症病床から見た現在の大阪府COVID-19

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■2021年1月の当院における新規COVID-19患者さんは、先月12月と同程度に多かった印象です。

■第3波は、全体の半数以上が酸素療法を適用されている中等症IIの患者さんでしたが、ほとんどが軽快退院しています。第2波とは異なり、両肺全葉すりガラス陰影を呈する症例が多かったためか、呼吸困難などの後遺症(いわゆる"Long COVID")を強く意識するケースが目立ちました。

■大阪府の吉村知事が特別措置法に基づいて病床確保を要請したため、現在COVID-19を受け入れている病院は、条件(※)によっては重症化例も診続けるという選択肢が提示されています。
(※)軽症・中等症の患者を受け入れている病床300床以上の公立病院および400床以上の地域医療支援病院の計23病院が対象。府内病床運用率が85%に達した日から要請し、緊急事態宣言の期限(現時点では2021年2月7日)まで重症患者2人程度の治療を継続する。

■COVID-19の回復者の転院受け入れがすすまない、という第2波以降の現場意見にあわせる形で、診療報酬上の対策が具現化しました(回復後、継続入院が必要な患者さんを受け入れた場合、二類感染症患者入院診療加算の3倍相当の点数[750点]とは別に救急医療管理加算1[950点]を90日間算定可能とした)。

■週次のCOVID-19新規入院患者数を見る限り、今波のピークはどうやら越えつつありますが、緊急事態宣言の継続は必要と思われます(感染者数を抑えこむのであれば)。イスラエルの情報を見る限りでは、ワクチンの有効性に期待が持てますが、日本で効果が出始めるのはかなり後になるため、極端な接触制限が継続できない場合(経済を回す選択を優先した場合)、西浦先生の試算にあるようにオリンピックの開催前に大きな波が到来するかもしれません。その際、医療崩壊についての議論に再び火が付くでしょう。


by otowelt | 2021-01-31 23:26 | 感染症全般

近畿中央呼吸器センター 呼吸器内科の 倉原優 と申します。医療従事者の皆様が、患者さんに幸せを還元できるようなブログでありたいと思います。原稿・執筆依頼はメールでお願いします。連絡先:krawelts@yahoo.co.jp


by 倉原優