PanACEA HIGHRIF1試験:高用量リファンピシンの安全性
2021年 02月 23日
実臨床と変わらないくらい頻度の消化器系の症状と肝障害なら・・・とは思います。
高用量リファンピシンは、結核治療期間を短縮する上で効果的であるというデータが集積されつつある。
方法:
この研究では、リファンピシンの安全性、忍容性、薬物動態、7日あるいは14日の早期殺菌活性(early bactericidal activity; EBA)を調べた。成人塗抹陽性結核患者におけるdose-escalation study(PanACEA HIGHRIF1)の結果を報告する。
結果:
連続患者コホートにおいて、リファンピシン40mg/kgあるいは50mg/kgを7日間単剤投与し、その後通常用量のイソニアジド、ピラジナミド、エタンブトールとともに使用した(8日目~14日目)。40mg/kg群(15人)では、13人の患者に36の有害事象が単剤治療時に報告されており、1人の患者が継続中止となった。50mg/kg群(17人)では、全例有害事象が報告され、11人が投薬中止となった。ほとんどが、軽症/中等症のもので、消化器系、掻痒感、高ビリルビン血症、黄疸が主だった。リファンピシンのAUC幾何平均は50mg/kg群のほうが40mg/kg群よりも比例的増加を示した(571mg・L/h[範囲320-995] vs 387mg・L/h[範囲201-847])。リファンピシン曝露とビリルビン濃度は相関していた(p<0.001)。EBAは用量とともに明確に上昇し、50mg/kg群の14日目で−0.427 logCFU/mL/day (95%信頼区間−0.500~−0.355)だった。
結論:
リファンピシン50mg/kgは殺菌活性の上昇と関連していたが、忍容性が十分でない。40mg/kgは忍容性があり、短期治療レジメンのための第II相試験に選択されてもよいだろう。
by otowelt
| 2021-02-23 00:43
| 抗酸菌感染症