COVID-19:イスラエルにおけるファイザーSARS-CoV-2ワクチン(コミナティ)の有効性
2021年 02月 21日

日本で広く接種されていくワクチンのイスラエルの先行データ。すでに話題ですが。
概要:
2020年12月、イスラエル政府はBNT162b2 COVID-19ワクチンを承認し、他国と同様に医療従事者を優先的に接種するキャンペーンを開始した。このキャンペーンはCOVID-19の第3波と一致していた。9647人の医療従事者を有するイスラエル最大の病院であるShebaメディカルセンターは、2020年12月19日からスタッフの予防接種を開始した。以前のSARS-CoV-2感染者を除くすべての医療従事者が予防接種された。ワクチン接種を受けた医療従事者におけるSARS-CoV-2感染とCOVID-19発生率の早期低下を調べた。ワクチンよる効果を評価するため、ワクチンを接種された9109の医療従事者の後ろ向きコホートを分析し、ワクチン接種群と非接種群を比較した。
接種対象となった医療従事者9109人のうち、1月24日までに7214人(79%)が1回目接種を、6037人(66%)が2回目接種を受けた。このうち5505名(91%)が1回目接種後、21~22日後に2回目接種を受けている。6818人(95%)が同メディカルセンターで予防接種を受けた。
2020年12月19日から2021年1月24日までの間に、170人の医療従事者にSARS-CoV-2感染が確認された。このうち99人(58%)の医療中医者が症状を報告しており、COVID-19と診断された。感染者170人のうち、89%(52%)はワクチンを接種されておらず、78人(46%)は初回接種後陽性例、3人(2%)は2回目接種後陽性例だった。追跡できた125人の感染者のうち、87人(70%)は市中感染であり、院内クラスターはなかった。
1万人日あたりのPCR陽性数は、非接種群で7.4、初回接種後1~14日は5.5、初回接種後15~28日は3.0だった。SARS-CoV-2感染の調整後減少率(接触機会があった日数で補正)は、初回接種後1〜14日目と15〜28日目でそれぞれ30%(95%信頼区間2–50)、75%(95%信頼区間72–84)だった。
1万人日あたりのCOVID-19発症数は、非接種群で5.0、初回接種後1~14日は2.8、初回接種後15~28日は1.2だった。調整後減少率(接触機会があった日数で補正)は、初回接種後1〜14日目と15〜28日目でそれぞれ47%(95%信頼区間17-66%)、85%(95%信頼区間71-92%)だった。
limitation:
・観察研究であること。
・PCR検査は有症状者とSARS-CoV-2感染者の濃厚接触者にのみに適用しており、無症候性感染者についての評価はできていない。
・医療従事者のみが対象であること。
by otowelt
| 2021-02-21 00:19
| 感染症全般