
当院でも、合併例は多いです。NTMのアウトカムは、菌種によると思います。
目的:
慢性肺アスペルギルス症は肺非結核性抗酸菌症(NTM-PD)の重篤な合併症であり、診断は依然として困難である。本研究では、アスペルギルスの分離と、NTM-PD患者の臨床的特徴および治療結果との関連を検討した。
方法:
ATS/IDSAで定義されているNTM-PD基準を満たし、真菌用に培養された呼吸器検体が少なくとも陽性であった全患者が、後ろ向きコホート分析に含まれた。アスペルギルスが分離された検体が少なくとも1つある患者を、それ以外の患者と比較した。プライマリアウトカムは、NTM-PD治療開始から12ヶ月後の培養陰性化と放射線学的進行とした。
結果:
12年間で、NTM-PDの基準を満たす497人の患者がわれわれの三次医療センターで同定された。そのうち130人からアスペルギルスが分離された。NTM-PD診断後の追跡期間中央値は46ヶ月だった。
吸入ステロイドの使用、胸部CTにおける結節性気管支拡張症パターン、NTM-PD治療開始は、アスペルギルスが分離されなかった患者と比較して、同真菌が分離された患者でより頻繁にみられる現象だった(それぞれP=0.01、=0.03、<0.001)。抗酸菌治療を受けた群と受けていない群で、NTM培養陰性率(63.0% vs 62.2%; p=1.0)および放射線学的進行(69.7% vs 77.2%; p=0.25)の差はなかった。社会復帰率と5年死亡率にも有意差はなかった。呼吸器検体からアスペルギルスが繰り返し検出されることと、治療アウトカムに関連はなかった。
結論:
このコホートでは、アスペルギルスの分離とNTM-PD治療アウトカムに関連はなかった。ただし、NTM-PD治療は、アスペルギルスが分離された患者でより頻繁に開始された。