U-BIOPRED研究:定期経口ステロイドのアドヒアランス

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喘息患者さんにアドヒランスについて質問すること自体がナンセンスという見解もあります。客観的に吸入したかどうかを測定できるツールを用いないと真の吸入薬アドヒアランスは管理できないとされています。

個人的に、経口ステロイドはできるだけ使わないようにしています。生物学的製剤の登場は喘息診療にドラスティックな変革をもたらしましたが、それでもなお薬価はハードルになっています。高額療養費制度を使っても、月数万円という出費をかけたくないという患者さんはまだまだ多いです。




概要:
■喘息における経口ステロイドへの最適でない(sub-optimal)アドヒアランスの推定値は30〜50%であるが、理想的な測定方法は存在しない。重度の喘息におけるアドヒアランス不良の影響は、とりわけ大きい。

1:自己申告と直接測定によって検出されたsub-optimalアドヒアランスの頻度はどのくらいか?
2:sub-optimalアドヒアランスは疾患重症度に関連しているか?

■データは、毎日の定期経口ステロイドを処方されたU-BIOPRED研究に参加した重症喘息の個人から得られた。参加者は、アドヒアランスを1~5のスケールで評価する質問票(MARS)に回答し、液体クロマトグラフィー質量分析によるプレドニゾロンおよび代謝物の分析用尿検体を提出した。

■166人の参加者からデータが得られた。平均年齢54.2±11.9歳、%1秒量65.1±20.5%、女性は58%だった。 MARSを完遂した37%はsub-optimalのアドヒアランスで、尿中ステロイドが得られた被験者の43%は、検出可能なプレドニゾロンおよび代謝物を含んでいなかった。両方法で同定した適切なアドヒアランスだったのは35%で、53%で質問票-尿検体のアドヒアランスは不一致だった。自己申告による高アドヒアランス者は喘息コントロールとQOLが優れていたのに対し、尿中測定による高アドヒアランス者は血中好酸球が低かった。



以上の結果から、喘息におけるアドヒアランスの低下は、"直接測定されたか・自己報告されたか"にかかわらず、重症喘息の重要課題であると思われます。服薬アドヒアランスの自己評価と測定評価による方法は不一致がみられるため、これは逆に言えば、各アプローチが臨床診療において補足情報を提供しているとも言えます。



by otowelt | 2021-04-26 00:31 | 気管支喘息・COPD

近畿中央呼吸器センター 呼吸器内科の 倉原優 と申します。医療従事者の皆様が、患者さんに幸せを還元できるようなブログでありたいと思います。原稿・執筆依頼はメールでお願いします。連絡先:krawelts@yahoo.co.jp


by 倉原優