COVID-19:イスラエルのBNT162b2ワクチン有効性
2021年 02月 25日
イスラエルの情報です。かなり期待できそうですね。前回紹介したのは、医療従事者に関する報告でした。
背景:
COVID-19に対する集団予防接種キャンペーンが世界的に開始するにつれ、コントロールされていない地域でも幅広く評価される必要がある。本研究は、イスラエル最大の医療機関からのデータを用いて、BNT162b2 mRNAワクチンの有効性を評価したものである。
方法:
2020年12月20日~2021年2月1日までの期間に新たに予防接種を受けたすべての人について、人口動態的および臨床的特徴に従って1:1の比率で予防接種を受けていない対照群と比較された。研究結果には、SARS-CoV-2感染、症候性COVID-19、COVID-19関連の入院、重症例、死亡の記録が含まれた。Kaplan-Meier推定を用いて、各結果のワクチンの有効性は、1からリスク比を引いたものとして推定した。
結果:
各研究グループに、59万6618人が含まれた。初回接種後14日~20日および2回目接種後7日以降における、推定ワクチン有効性は次のとおりだった。
■SARS-CoV-2感染: 初回接種後14~20日:46%(95%CI40~51) 2回目接種後7日以降:92%(95%CI88〜95) ■症候性COVID-19: 初回接種後14~20日:57%(95%C50〜63) 2回目接種後7日以降:94%(95%CI87〜98) ■入院: 初回接種後14~20日:74%(95%CI56~86) 2回目接種後7日以降:87%(95%CI55~100) ■重症化: 初回接種後14~20日:62%(95%CI39〜80) 2回目接種後7日以降:92%(95%CI75〜100) ■死亡: 初回接種後14~20日:72% (95%CI19~100) 2回目接種後7日以降:NA |
COVID-19による死亡を予防する効果推定値は、初回投与後14~20日で72%(95%信頼区間19~100)だった。感染症および症候性COVID-19について評価された特定のサブグループにおける推定有効性は、年齢ごとに一貫しており、複数の併存症がある場合にわずかに低かった。
2回目接種後7日以降の有効性 ■SARS-CoV-2感染 ・男性:91% (95%CI80~96) ・女性:93%(95%CI88~97) ・16~39歳:94%(95%CI87~97) ・40~69歳:90%(95%CI82~95) ・70歳以上:95%(95%CI87~100) ・基礎疾患1~2:95%(95%CI88~98) ・基礎疾患3以上:86%(95%CI72~95) ・肥満例:95%(95%CI88~100) ・2型糖尿病:91%(95%CI71~100) ・高血圧症:93%(95%CI85~99) ■有症状COVID-19への有効性 ・男性:88% (95%CI71~98) ・女性:96%(95%CI90~100) ・16~39歳:99%(95%CI96~100) ・40~69歳:90%(95%CI75~98) ・70歳以上:98%(95%CI90~100) ・基礎疾患1~2:95%(95%CI88~100) ・基礎疾患3以上:89%(95%CI68~98) ・肥満例:98%(95%CI91~100) ・2型糖尿病:91%(95%CI68~100) ・高血圧症:95%(95%CI84~100) |
結論:
全国的な集団ワクチン接種における当該研究は、BNT162b2 mRNAワクチンがCOVID-19の広範囲のアウトカムに有効であることを示唆しており、ランダム化試験の結果と一致している。
by otowelt
| 2021-02-25 09:40
| 感染症全般