ANCA関連血管炎における胸膜炎・心膜炎
2021年 03月 03日
背景:
胸膜および心膜の病変は、多発血管炎性好酸球性肉芽腫症(EGPA)でよく認識されているが、他のANCA関連血管炎(AAV)のまれな症状でもある。
リサーチクエスチョン:
AAVにおける胸膜炎と心膜炎の頻度と臨床的特徴は何か?
研究デザイン・方法:
1,830人のAAV患者データベースを使用して、胸膜炎と心膜炎に関連するキーワードについて臨床記録と診断コードを分析した。これらの調査結果を確認するためのチャートレビューがおこなわれた。
結果:
GPAの患者1058人中88人(8.3%)、MPAの患者267人中27人(10.1%)、EGPAの患者201人中35人(17.4%)において、血管炎に起因する胸膜炎・心膜炎の所見がみられた。GPA、MPA、EGPAで胸膜炎の頻度には差がなかった。
他のAAVと比較して、EGPAでは心膜炎の頻度が高かった(p <0.0001)。
胸水の解析がフルでおこなえたのは31人で77.4%が滲出性で、リンパ球優位が41.7%、単球・マクロファージ優位が41.7%だった。治療後、92.4%が胸膜炎・心膜炎の再発を起こさなかった。
結論:
胸膜炎と心膜炎はすべてのAAVで発生するが、EGPAは心膜炎の割合が高い。胸膜炎と心膜炎は、AAVの認識されにくい特徴である。
by otowelt
| 2021-03-03 09:31
| 膠原病