COVID-19:ARDSにおける気胸/縦隔気腫

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 さすがに、ちょっと多すぎる気もします。Macklin効果は、今の呼吸器内科医はほとんど知らないんじゃないでしょうか(80年前ッ!Arch Intern Med. 1939; 64: 913– 26.)。


目的:
 COVID-19のARDSにおける気胸/縦隔気腫の発生率、予測因子、アウトカムを同定すること。

デザイン:
 観察研究。

場所:
 三次医療の大学病院。

参加者:
 COVID-19 ARDSで侵襲的換気を受けた連続患者116人。

介入:
 臨床背景、人工呼吸、画像検査、血液検査、アウトカムのデータを収集した。プライマリアウトカムは気胸/縦隔気腫の発生率とした。多変量ロジスティック回帰分析により、気胸/縦隔気腫の予測因子を調べた。

結果:
 116人のうち、気胸/縦隔気腫を発症したのは28人(24.1%)だった。気胸が22人(19.0%)で、縦隔気腫は13人(11.2%)にみられた。気胸/縦隔気腫の発症までの平均期間は、挿管から14±11日だった。気胸/縦隔気腫を発症した患者と発症しなかった患者の間に、人工呼吸パラメータに差は観察されなかった。いずれも、肺保護換気戦略がとられていた。気胸/縦隔気腫患者の95%は、ベースラインのCT検査でMacklin効果(気管支血管鞘から線状に肺門部に続く空気)を示し、ICU入室時の肺病変が多い傾向にあった。症状発症から挿管までの期間は気胸/縦隔気腫の独立予測因子だった。死亡率は、気胸/縦隔気腫を発症した患者では60.7%だったが、発症しなかった患者では38.6%だった(p = 0.04)。

結論:
 気胸/縦隔気腫は、機械的人工呼吸管理を要するARDSのCOVID-19患者で頻繁に発生し、死亡率の増加と関連している。気胸/縦隔気腫の発症は、肺保護換気戦略をとっていても発生している。



by otowelt | 2021-03-11 00:34 | 感染症全般

近畿中央呼吸器センター 呼吸器内科の 倉原優 と申します。医療従事者の皆様が、患者さんに幸せを還元できるようなブログでありたいと思います。原稿・執筆依頼はメールでお願いします。連絡先:krawelts@yahoo.co.jp


by 倉原優
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