背景:
COVID-19パンデミックの間、特に医療施設においてマスク着用が必要となった。しかし、われわれの知る限り、外科医と患者のコミュニケーションに対するマスク着用の影響は研究されていない。
目的:
外科クリニックにおける患者コミュニケーションに対する透明マスクと標準的なカバー付きサージカルマスクの効果を評価すること。
デザイン:
このランダム化臨床試験では、単施設の外科外来において、外科医が透明マスクとカバー付きサージカルマスクを着用した場合の医師患者間コミュニケーションを調査した。
介入:
ランダム化計画に基づいて、新規通院患者が受診するたびに、透明マスクあるいはカバー付きサージカルマスクのいずれかを着用した。
アウトカム:
(1)外科医とのコミュニケーション、(2)外科医への信頼度、(3)患者からみた外科医に対する印象の定量的評価、(4)患者からみた外科医に対する印象の定性的評価がアウトカムに含まれた。受診後、患者はCG CAHPSによる口頭調査を完遂した。追加質問には、外科医に対する共感、信頼、サージカルマスクに対する患者の印象が含まれた。Cochran-Mantel-Haenszel検定を使用して、透明マスク群とカバー付きサージカルマスク群の患者データを比較した。
結果:
7つの専門分野にまたがる15人外科医(6人が女性医師)が試験登録に同意した。また、200人の患者(114人が女性)が登録されランダム化された。外科医が透明マスクを着用した場合、患者は分かりやすい説明を提供されたと外科医を高く評価し(透明マスク群:100人中95人 [95%] vs カバー付きサージカルマスク群:100人中78人[78%]; P < .001)、共感性を示し(透明マスク群:100人中99人[99%] vs カバー付きサージカルマスク群:100人85人[85%], p<0.001)、信頼が構築された(100人中94人[94%] vs 72人[72%], p<0.001)。患者は、外科医の顔を視覚化することでコミュニケーションをとりやすく感謝を伝えやすくなることから、透明マスクを好んだ。外科医15人のうち8人(53%)は、標準的なカバー付きサージカルマスクよりも透明マスクを選択する可能性がほとんどなかった。
このランダム化臨床試験では、患者の主治医である外科医の顔が「見える」ことが好むしいとされています。透明マスクを着用した外科医は、良好なコミュニケーションがとれ、共感性があり、信頼度が高いと患者に認識されていました。
無精ひげをはやしていても、マスクをしているとそれが見えないというメリットがあります。また、私みたいにイケメンじゃない人が装着すると、イケメンっぽく見える効果もあったり・・・いや、それは副次的な効果なのであまり深くは言及しませんが。あはは。
今後、マスクというのはしばらくの間医療施設における「風景の一部」であり続けることから、外科医と患者のコミュニケーションを維持する上で議論されそうです。