
■成人の急性呼吸不全(ARF)に対する高流量鼻カニュラ酸素療法(HFNO)の使用機会は増えている。
■2000年1月から2020年7月までの英語文献を、MEDLINE, Embace, CINAHL, Cochrane Libraryから収集し、入院成人ARFにおけるHFNOを非侵襲性換気(NIV)と通常酸素療法(COT)と比較した。研究は、29のランダム化比較試験が選ばれた。NIVと比較したHFNOの有効性、COTと比較したHFNOの有効性について、初期治療および抜管後マネジメントを分けて評価した。
■NIVと比較すると、HFNOは総死亡率、挿管必要性、院内肺炎を有意に減少させ、患者快適性を向上させた。しかし、抜管後マネジメントについてはこの有意性は観察されなかった。抜管後ARFについて、COTと比較した場合、HFNOは再挿管の必要性を減少させ、患者快適性を向上させた。
以下のことが言えます。
①NIVと比較すると、HFNOは初期ARFマネジメントで臨床アウトカムのいくつかを改善させる
②COTと比較すると、HFNOは抜管後ARFマネジメントで再挿管を減らす
③患者快適性を改善させるため、HFNOはNIVやCOTと比べて害が少ない