COVID-19:大阪府の現状(5月5日)

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関東にも飛び火しつつありますが、大阪府は未曽有の災害級の事態となってきました。大阪府でCOVID-19と向き合っている医療従事者、保健所・入院フォローアップセンターのみなさん、自らの健康にも気を配るようお願い申し上げます。


当院にはもともと軽症中等症病床が55床ありますが、現在は他の大阪府下の病院と同じく、実質的に中等症重症病床と化しています。大阪府では軽症の患者さんは入院せず、基本的に酸素療法を要する中等症II以上のみが入院対象となっています。


20214月以降、約1ヶ月で101人のCOVID-19患者さんを引き受けてきました。超高齢者以外では死亡例はなく、呼吸不全期さえ乗り越えられれば予後はそこまで悪くない印象です。


いきなりARDS”で入院してくるCOVID-19が多く、酸素投与を要した中等症II以上の症例は78人(77%)です。ネーザルハイフローは常時58台稼働している状況で、人工呼吸器も23台活用しています。早期に抜管にいたらないと、次の患者が挿管できない状態に陥ります。大阪府では、もはや重症病床への転院が不可能な状況が常態化していますので、特に多くのCOVID-19を引き受けている病院で検討すべきは、「院内の医療資源の配分」ではないかと思っています。


4波以降の印象としては、とにかくサイトカインストームが激烈であるということです。これは従来株ではなく変異株の挙動をみているものと推察されます。第3波までは、重症化するパターンがCRP 10 mg/dL、フェリチン 900 ng/mLあたりだったものが、すでに上記101人の新規入院患者さんの平均値・中央値がそのあたりに集中している印象です。


最前線でCOVID-19と向き合っているのは、看護師です。多くの病院は重症病床としての人員配置を想定していない状況で人工呼吸器装着患者さんを診ているわけですから、人手が少ない夜勤で、重症例を適切に看護するというのは難しいのです。いつ誰が重症化してもおかしくないロシアンルーレットのような日々が続いており、看護師の身体的・精神的疲弊は計り知れません。






by otowelt | 2021-05-05 10:52 | 感染症全般

近畿中央呼吸器センター 呼吸器内科の 倉原優 と申します。医療従事者の皆様が、患者さんに幸せを還元できるようなブログでありたいと思います。原稿・執筆依頼はメールでお願いします。連絡先:krawelts@yahoo.co.jp


by 倉原優