COVID-19:大阪府の現状(5月24日)

大阪府は第4波がピークアウトし、軽症中等症病床の病床使用率は66.7%まで低下しました。実運用ベースで700床以上の空床があり、かなり医療逼迫は改善しました。第4波ピークの5月4日には、重症病床に転院できない重症患者さんが92人に到達し、当院でも複数人の人工呼吸器装着患者さんのケアにあたらざるを得ない状況でした。

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. 大阪府の重症患者数

緑の部分が軽症中等症病床でケアしている重症患者さんですが、すでに重症患者数全体が実確保重症病床数を下回っているので、転院できない事情があるというわけではありません(転院する意義がなく引き続き管理しているという解釈)。実際、軽症中等症病床で重症化した患者さんは、現在円滑に重症病床に転院することができています。


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. 大阪府のホテル療養者数

大阪府のホテル療養者数は、実確保部屋数3986部屋に対して、919部屋と数値的には余裕があります。入院予備軍に該当するこの集団の感染者数が急減しているため、第4波のピークは過ぎたと断言できるわけです。

しかし、前波と同じように、重症患者数が高止まりした状態で第5波に入ると、厳しい医療逼迫が予想されます。そのため、大阪府としては緊急事態宣言の延長は避けられないでしょう。重症病床確保に向けて府は水面下で動いてくれていますが、第5波がやってくると再び「医療崩壊」という文字がテレビ画面を席巻するかもしれません。

中等症II以上に陥ったCOVID-19の典型例は、糖尿病・肥満を有する40~60歳台の患者さんです。ここにすみやかにワクチンが届かなければ、第5波の主たる患者層はやはりこの集団になると思います。

ワクチン施策をすすめつつも、経済を止めるわけにはいかないというジレンマから、ハンマー・アンド・ダンスを続けると思いますので、現場としては第5波の到来を覚悟しております。



by otowelt | 2021-05-24 22:32 | 感染症全般

近畿中央呼吸器センター 呼吸器内科の 倉原優 と申します。医療従事者の皆様が、患者さんに幸せを還元できるようなブログでありたいと思います。原稿・執筆依頼はメールでお願いします。連絡先:krawelts@yahoo.co.jp


by 倉原優
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