COVID-19:重症度ごとの呼吸リハビリテーション

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本来なら退院できる状態にあるはずの患者さんが自宅退院できなくなるケースもよくありました。リハビリがフルで入っている病院はともかく、ADLの立ち上がりがかなり悪いのが新型コロナの特徴で、特に高齢者の場合、元の生活に戻れないということがしばしばでした。もちろん、これは高齢者の肺炎全般におよぶ社会的問題でもあるので、新型コロナに限った話ではありませんが。

全国の理学療法士が働く現場に実施したアンケート「新型コロナウイルス感染症に関するアンケート結果」1)によると、新型コロナウイルス感染患者を受け入れている施設においてすら、リハビリが実施されているのは20%あまりにとどまるという結果でした。決してリハビリスタッフがコロナ病棟に入ってはいけないというワケではないのですが、絶対に必要なケアにあたるかどうかという議論になったとき、リハビリが除外された病院が多かったのかもしれません。そのため、コロナ病棟では満足なリハビリが提供できないことがしばしばでした。




  • 概要
■COVID-19は、肺機能の障害、運動能力の低下、QOLの低下など、さまざまな慢性的問題を引き起こす可能性がある。

■この研究の目的は、COVID-19 患者における呼吸リハビリテーションの有効性、実行可能性、安全性を調査し、軽症/中等症および重症/重篤な経過をたどる患者のアウトムを比較することである。

■この前向き観察コホート研究には、包括的な3週間の呼吸リハビリテーションプログラムをおこなったCOVID-19患者が含まれた。運動パフォーマンス (6分間歩行距離 [6MWD])、肺機能 (努力性肺活量[FVC])、QOL (SF-36) が前後に評価された。

■合計50人の患者が研究に含まれた (24人:軽症/中等症、26人:重症/重篤)。入院時、パラメータは以下の通りだった。6MWD・・・軽庄/中等症:中央値 509 m、IQR426-539 m; 重症:344 m、IQR244-392 m)、FVC・・・軽庄/中等症: 80%、IQR59-91%;重症/重篤: 75%、IQR60-91%、 SF-36スコア・・・軽庄/中等症: 49点、IQR37-54点; 重症/重篤: 39点、IQR30-53点。患者は、提供されたほぼすべての呼吸リハビリテーションセッションに参加した(中央値100%)。

■退院時、各サブグループの患者は 6MWD (軽庄/中等症: +48 m、IQR35-113 m、重症/重篤: +124 m、IQR75-145 m、p<0.001)、FVC (軽庄/中等症: + 7.7%、1.0-17.8%、p=0.002;重症/重篤: +11.3%、1.0-16.9%、p<0.001) および SF-36 (軽庄/中等症: +5.6 点、1.4-9.2点、p =0.071; 重症/重篤: +14.4点、-0.6-24.5、p<0.001)と、改善がみられた。呼吸リハビリテーションによる有害事象は観察されなかった。


(参考文献)
1) 公益社団法人日本理学療法士協会. 新型コロナウイルス感染症に関するアンケート結果.



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by otowelt | 2021-06-25 00:38 | 感染症全般

近畿中央呼吸器センター 呼吸器内科の 倉原優 と申します。医療従事者の皆様が、患者さんに幸せを還元できるようなブログでありたいと思います。原稿・執筆依頼はメールでお願いします。連絡先:krawelts@yahoo.co.jp


by 倉原優
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