喘息に対するアジスロマイシンが気管支内腔に与える影響

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喘息に対するアジスロマイシンとしては、AMAZES試験が有名です(Lancet. 2017 Aug 12;390(10095):659-68.)。この試験は多施設共同ランダム化プラセボ対照二重盲検並行群間比較試験で、吸入ステロイドおよび長時間作用性気管支拡張薬を併用されている、症候性喘息の患者さんを対象としたものです。アジスロマイシン1回500mg・週3回投与群とプラセボ群に割り付け、48週間の有効性と安全性を評価したところ、喘息の増悪発生率がアジスロマイシン群で有意に抑制されていました(人年当たり1.07 vs 1.86)。



  • 概要
■アジスロマイシンは喘息の動物モデルで気道リモデリングを減らすことが示されている。しかしながら、ヒトにおけるその影響は検証されていない。

■この研究は、重度の遷延性喘息患者の気道壁厚に対するアジスロマイシン長期治療の効果を調査することを目的とした。

■ランダム化二重盲検プラセボ対照臨床試験において、重度の遷延性喘息患者に、アジスロマイシン(250 mg、1日2回、週3日)、プレドニゾロン(5 mg、1日2回)、またはプラセボのいずれかの群に8ヶ月間割り付けられた。

■高分解能CRによる右上葉のB1の気管支壁厚の改善をプライマリアウトカムとして設定した。セカンダリアウトカムには、咳の重症度、呼吸困難の重症度、ACTスコア、喘息増悪率、呼吸機能検査、FENOが含まれた。

■ランダム化された90人の被験者のうち、78人がアジスロマイシン群(n = 25)、プレドニゾロン群(n = 27)、プラセボ群(n = 26)による8ヶ月治療に割り付けられた。気管支壁厚のパーセンテージは、どのグループでも有意に変化しなかった。ただし、アジスロマイシンとプレドニゾロンで治療された被験者の内径と内腔面積は大幅に増加した(両方でp <0.05)。

■アジスロマイシンはまた、呼吸困難の重症度、ACTスコア、FENO、FEV1、FEF25-75、1秒率を有意に改善した(すべてp <0.05)。アジスロマイシンによる治療の8ヶ月後では、咳の重症度または喘息の悪化率は有意に変化していなかった。


結論として、アジスロマイシンによる長期治療は、重度の遷延性喘息患者の内径と内腔面積を増加させるという結果が得られました。ただ、気管支壁の厚さについては有意な変化をもたらしませんでした。





by otowelt | 2021-08-04 00:26 | 気管支喘息・COPD

近畿中央呼吸器センター 呼吸器内科の 倉原優 と申します。医療従事者の皆様が、患者さんに幸せを還元できるようなブログでありたいと思います。原稿・執筆依頼はメールでお願いします。連絡先:krawelts@yahoo.co.jp


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