COVID-19:大阪府の現状(6月26日)

COVID-19:大阪府の現状(6月26日)_e0156318_09081788.png
一応このブログは、呼吸器内科医向けのブログなのですが、なんだかコロナの話ばかりと指摘を受ける最近。すいません。

大阪府の新規陽性者数が100人前後に落ち着いており、東京のようなじわじわ増加がないぶん、少し安心できる状況です。こうして新規陽性者数のグラフをながめていると、キレイな山が4つできています。おそらくこの次に5つ目の山が来ると思うのですが、どのくらいの大きさになるのかは分かりません。ワクチン効果で小さくなるという意見もあれば、デルタ株の影響もあって大きくなるという意見もあります。
COVID-19:大阪府の現状(6月26日)_e0156318_09162196.png

新規陽性者数に次いで重要になるのがホテル療養者数です。現在246人になっており、減少が停滞しています。軽症中等症患者が増える前にここが増えてきますので、今後の医療逼迫を予測する上で重要な指標になります。

COVID-19:大阪府の現状(6月26日)_e0156318_09134708.png

大阪府の重症患者数です。第3波の収束時に約60人にまで減少しましたが、その水準に近づいています。重症コロナセンターの患者数がなかなか減らなかったのですが、ようやく減少してきました。黄色部分が、軽症中等症病床で管理した重症患者ですが、実確保病床360床を500床くらいにまで増床して対応したいと府は明言しております。となれば、第5波が第4波の重症者を超えなければ、ひとまず再び医療逼迫に陥ることはなさそうです。

この1週間で当院に入院した患者数は2人と、きわめて落ち着いた状態です。緊急事態宣言が緩和され、市井は再び緩和ムードに転じています。まだワクチンを接種していない人のほうが多いため、人出が増えれば感染者も必然的に増加します。第4波のときと同じく、たとえ高齢者でなくても、肥満・糖尿病の感染者が重症化する構図そのものは変わらないと予想されます。



by otowelt | 2021-06-26 09:20 | 感染症全般

近畿中央呼吸器センター 呼吸器内科の 倉原優 と申します。医療従事者の皆様が、患者さんに幸せを還元できるようなブログでありたいと思います。原稿・執筆依頼はメールでお願いします。連絡先:krawelts@yahoo.co.jp


by 倉原優
カレンダー