肥満のIPF急性増悪患者は死亡率が低い
2021年 08月 28日
かなり大規模なDPCデータを用いた解析で、肥満のほうが死亡率が低いというのが興味深い知見でした。IPF急性増悪なので、ベースの死亡率は高いです。これは過去の報告と同等です(Am J Respir Crit Care Med 2014; 190: 773-779)。
肥満パラドクスは「やせは早死にしやすく、肥満は長生き」という現象のことを指すことが多いのですが、そもそも少し肥満のほうが長生きすることが最近わかってきて、こちらのほうが定説になりつつあります。
となると、パラドクスというのはどちらを意味するのか・・・という迷宮に入り込む次第。
- 概要
■特発性肺線維症(IPF)は、慢性線維化を特徴とする間質性肺疾患であり、IPFの急性増悪(AE-IPF)はIPF患者の主要な死因である。BMIとAE-IPFの予後との関連性に関するデータは不足している。この研究では、国内入院患者データベースを用いて、AE-IPFを発症した患者のBMIと院内死亡率の関連を評価した。
■日本のDPCデータベースを用いて,2010年7月1日から2018年3月31日までにAE-IPFを発症した入院患者のデータを後ろ向きに収集した。多変量ロジスティック回帰分析を行い、院内死亡率と、BMI別に分類した集団の関連とを評価した。
■合計14783人の患者が本研究の対象となった。院内死亡率は、低体重群、低正常体重群、高正常体重群、過体重群、肥満群でそれぞれ59.0%、55.0%、53.8%、54.8%、46.0%だった。低体重の患者は、低正常体重の患者に比べて、死亡率が有意に高く(オッズ比1.25、95%信頼区間1.10-1.42)、肥満の患者は、死亡率が有意に低かった(オッズ比0.71、95%信頼区間0.54-0.94)。
図. 総死亡率(文献より引用)

by otowelt
| 2021-08-28 00:49
| びまん性肺疾患










