
プール解析では異質性が大きいものの、試験の種類、追跡期間、抗線維化薬によるサブグループ解析ではその効果は一貫していました。
- 解析
■特発性肺線維症(IPF)は、進行性の線維性間質性肺疾患である。ニンテダニブとピルフェニドンは、IPFの肺機能低下の速度を遅らせるために現在承認されている2つの抗線維化薬であるが、死亡率や急性増悪(AE)のリスクに対する治療効果に関する情報は限られている。
■このシステマティックレビューでは、抗線維化薬がIPFの死亡およびAEのリスクを低下させるかどうか調べた。
■複数のデータベースを包括的に検索した。IPF患者の死亡またはAEイベントを抗線維化薬の有無で比較した原著論文を対象とした。総死亡率とAEリスクの2つを主要アウトカムとし、逆分散法を用いたランダム効果メタアナリシスにより相対リスクと95%信頼区間をプールした。
■26件の研究(ランダム化比較試験8件、コホート研究18件)の合計12956人の患者がメタアナリシスに含まれた。抗線維化薬は総死亡リスクの低下と関連しており、相対リスクは0.55(95%信頼区間0.45-0.66)、I2は82%だった。これは、試験の種類、バイアスリスク、追跡期間、抗線維化薬の種類による層別化など、追加のサブグループ解析をおこなっても一貫していた。また、抗線維化薬はAEリスクを低下させ、相対リスクは0.63(95%信頼区間0.53-0.76)で,I2は 0%だった。AEリスクに対する効果は、試験タイプ別のサブグループ解析においても一貫しており、ニンテダニブでは認められたもののピルフェニドンでは認められなかった。