COVID-19:デルタ型変異ウイルスに対するワクチンの有効性
2021年 07月 22日
デルタ型変異ウイルスに対するワクチンは2回接種することが重要ですが、88%という数値は非常に安心できるものですね。6月にLancetで
ファイザー社製ワクチンの2回接種がデルタ型変異ウイルスに対して感染予防効果が79%と報告されています(Lancet . 2021 Jun 26;397(10293):2461-2462.)。
■COVID-19の原因ウイルスである(SARS-CoV-2)のB.1.617.2(デルタ型)変異ウイルスは、インドにおける患者急増の原因となり、現在ではイギリスでの患者増加が顕著になっており、世界中でもひろがりをみせている。この変異ウイルスに対するBNT162b2(ファイザー社製)およびChAdOx1 nCoV-19(アストラゼネカ社製)の新型コロナワクチンの有効性は不明である。
■test-negative case–control design(診断陰性例コントロールデザイン)を用いて、デルタ型変異ウイルスが流行し始めた期間に、デルタ型変異ウイルスまたはアルファ型変異ウイルスによる症候性COVID-19に対するワクチン接種の有効性を推定した。
■ワクチン(BNT162b2またはChAdOx1 nCoV-19)を1回接種した後の効果は、アルファ型変異ウイルスの患者と比較するとデルタ型変異ウイルスの患者で顕著に低かった(48.7%,95%信頼区間45.5~51.7 vs 30.7%,95%信頼区間25.2~35.7)。BNT162b2ワクチンでは、2回接種時の有効性はアルファ型変異ウイルスの患者で93.7%(95%信頼区間91.6~95.3),デルタ型変異ウイルスの患者で88.0%(95%信頼区間85.3~90.1)だった。ChAdOx1 nCoV-19ワクチンでは、2回接種時の有効性は、アルファ型変異ウイルスの患者で74.5%(95%信頼区間68.4~79.4)、デルタ型変異ウイルスの患者で67.0%(95%信頼区間61.3~71.8)だった。
by otowelt
| 2021-07-22 09:44
| 感染症全般