グルコサミンは肺癌リスクを低下
2021年 08月 18日
整形外科医の先生はグルコサミンに対する懐疑的な印象を持っていると思います。グルコサミンやコンドロイチンのサプリメントは変形性膝関節症または変形性股関節症の痛みに対して有効ではないことが示されていますので。
しかし、グルコサミンが癌の発症を抑制するなんてことが・・・。
それにしても、全体の6人に1人がグルコサミン愛用者って、どういうコホートやねんという感想はあります。掲載されたジャーナルがERJだからというわけではないですが、信憑性は高いと考えてよいでしょうか。
- 概要
■グルコサミンには、抗炎症作用や抗癌作用があり、副作用も少ないことがわかっている。われわれは、大規模な全国規模の前向きコホート研究のデータに基づいて、グルコサミンの使用と肺癌のリスクおよび肺癌死亡率との関係を調べた。
■2006~2010年に参加者を登録し、2020年まで追跡調査を行った。グルコサミンの使用と肺癌および肺癌死亡のリスクの関係を評価するために、Cox比例ハザードモデルを使用した。サブグループ解析と感度解析を行った。
■合計43万9393人(平均年齢:56歳、女性53%)、平均追跡期間11年のコホートを解析対象とした。ベースライン時にグルコサミンの定期的使用を報告した参加者は8万2603人(18.80%)であった。追跡調査では、1971件(0.45%)の肺癌イベントが記録された。グルコサミン使用は、調整モデルにおいて、肺癌のリスク低下(ハザード比0.84、95%信頼区間0.75-0.92、p<0.001)および肺癌死亡率の低下(ハザード比0.88、95%信頼区間0.81-0.96、p=0.002)と有意に関連していた。肺癌の家族歴のある参加者では、家族歴のない参加者と比較して、グルコサミン使用と肺癌リスクの低下との間により強い関連性が認められた。
by otowelt
| 2021-08-18 00:20
| 肺癌・その他腫瘍