COVID-19:重症例・非重症例に対するヘパリン

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コロナ病棟担当医は必読の論文と思われます。大部分はREMAP-CAPからの組み入れですが、ACTIV-4a、 ATTACCという別のコホートもあわせて解析しています。重症化に到る前にヘパリンを投与する戦略が支持された形となります。



  • 概要
■COVID-19において、血栓症と炎症がアウトカム不良の原因となっている可能性がある。われわれは、治療用量の抗凝固療法が重症COVID-19患者の転帰を改善するという仮説を立てた。

■非盲検のアダプティブデザインのランダム化臨床試験において、重症COVID-19患者を、ヘパリンを用いた治療用量の抗凝固療法あるいは地域の標準治療に応じた薬物的血栓予防のいずれかのレジメンにランダムに割り付けた。主要評価項目は、21日以内の臓器サポート不要日数と死亡をあわせた順序変数とし、死亡した場合は-1と定義している。

■本研究は、治療用量の抗凝固療法について事前に規定した無益性の基準を満たした時点で中止にいたった。1098人(治療用量の抗凝固療法に割り付けられた534人、通常の血栓予防に割り付けられた564人)の主要アウトカムのデータが得られた。臓器サポート不要日数の中央値は、治療用量の抗凝固療法に割り付けられた患者で1(IQR-1~16),通常ケア患者で4(IQR-1~16)だった(補正オッズ比0.83;95%信頼区間0.67~1.03;無益性事後確率[オッズ比<1.2]:99.9%)。退院まで生存した患者の割合は、両群でほぼ同じだった(それぞれ62.7%、64.5%、補正オッズ比0.84、95%信頼区間0.64~1.11)。主要な出血性イベントは、治療用量の抗凝固療法に割り付けられた患者の3.8%、通常ケアの薬物的血栓予防に割り付けられた患者の2.3%に発生。



  • 概要
■COVID-19において、血栓症と炎症がアウトカム不良の原因となっている可能性がある。われわれは、治療用量の抗凝固療法が非重症COVID-19患者の転帰を改善するという仮説を立てた。

■非盲検のアダプティブデザインのランダム化臨床試験において、非重症(登録時に臓器サポートが不要)のCOVID-19患者を、ヘパリンを用いた治療用量の抗凝固療法あるいは地域の標準治療に応じた薬物的血栓予防のいずれかのレジメンにランダムに割り付けた。主要評価項目は、21日以内の臓器サポート不要日数と死亡をあわせた順序変数とし、死亡した場合は-1と定義している。すべての患者についてベイズ統計モデルを用いて、ベースラインの D-dimer値に応じて評価した。

■本研究は、治療用量の抗凝固療法の優位性に関する事前に規定された基準が達成された時点で中止にいたった。最終解析対象となった2219人の患者において、治療用量の抗凝固療法が通常ケアの血栓予防と比較して臓器サポート不要日数を増加させる確率が98.6%となった(補正オッズ比1.27;95%信頼区間1.03〜1.58)。また、治療用量の抗凝固療法を行った場合の、臓器障害不要の退院までの生存率の群間差は、4.0%ポイント(95%信頼区間0.5~7.2)だった。通常の血栓予防に対する治療用量の抗凝固療法の優位性を示す最終的な確率は、D-dimer高値コホートで97.3%,D-dimer低値コホートで92.9%,D-dimer不明コホートで97.3%であった。主要な出血性イベントは、治療用量の抗凝固療法を受けた患者の1.9%,血栓予防を受けた患者の0.9%に発生した。




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by otowelt | 2021-08-06 10:09 | 感染症全般

近畿中央呼吸器センター 呼吸器内科の 倉原優 と申します。医療従事者の皆様が、患者さんに幸せを還元できるようなブログでありたいと思います。原稿・執筆依頼はメールでお願いします。連絡先:krawelts@yahoo.co.jp


by 倉原優