COVID-19:感染後の器質化肺炎(OP)に対するメチルプレドニゾロン

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感染症を起こした後、Organizing pneumonia(OP)になることがあります。気管支鏡をしないと分からないのですが、COVID-19の患者さんではなかなかそれが難しく、状況証拠から診断せざるを得ない事情もあります。

COVID-19がOPパターンになるため、COVID-19後のOPの存在自体が証明困難と言えます。

COVID-19に対して全身性ステロイドを用いるとき、基本的にはRECOVERY研究と同様の用法用量で投与することが多いですが、OP様の陰影が改善するどころか増悪しているような場合や、呼吸不全が遷延するような場合には、投与を延長することがあります。

以前書いたように、レムデシビルよりも先行させず、軽症例に安易に用いない配慮が必要です。



Segala F, et al. Adjunctive corticosteroid treatment for organizing pneumonia in COVID-19 patients with persistent respiratory failure. Respiratory Medicine Volume 187, October 2021, 106571

■OPはウイルス感染症などの後に起こる炎症性プロセスの一病型である。

■COVID-19の流行が始まってから、放射線学的特徴や病理学的特徴がこの疾患にみられることが報告されており、happy hypoxiaはOPの特徴でもあることから、後期においてはそれをみている可能性がある。

■2020年11月2日~12月2日の間に重症COVID-19肺炎で入院し、標準治療にもかかわらずOPに一致する臨床的および放射線学的特徴を示したために、メチルプレドニゾロン1mg/kgを投与された10人の症例を報告する。

■対象者の年齢中央値は73.1歳で、7人(70%)が男性だった。最も多かった基礎疾患は、高血圧(50%)、冠動脈疾患(20%)、COPD(20%)、CKD(20%)だった。全員が発熱と倦怠感を呈し、4人の患者が咳や息切れを訴えた。入院時には、全患者に胸部CTで両肺すりガラス陰影がみられ、低・正常圧呼吸不全のために酸素補給を必要とした。患者は中用量の抗凝固療法(エノキサパリン40mg 1日2回)と、デキサメタゾン6mg/日を10日間投与するステロイド治療を受けた。発症から10日以内に入院した4人の患者には、レムデシビルを5日間投与した。9人の患者には高流量鼻カニュラ酸素療法による酸素投与がおこなわれ、4人は集中治療室にて管理された。

■治療にもかかわらず持続的な呼吸不全を呈していた患者の胸部CTでは、ウイルス性OPを示唆する放射線学的所見が得られた。全患者はインフォームドコンセントを受け、メチルプレドニゾロンを1日2回投与された。初日は1mg/kg/dayその後、3日ごとに漸減した。

■治療開始時のP/F比の中央値は198.5mmHg(IQR 169-217)だったが、ステロイド投与開始から1週間後には253mmHg(IQR 235-321)に改善した()。
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. 10人の患者のP/F比(文献より引用)

■メチルプレドニゾロンによってP/F比が上昇したが、統計学的に有意な水準ではなかった(P=0.051)。CRPの中央値は34.2mg/L(IQR、11.5~46.5)から7mg/L(IQR、1.5~9.55)に低下した。また、治療開始から2週間以内に、8人の患者が酸素療法から離脱し、退院した。重大な副作用は認められなかった。




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by otowelt | 2021-09-15 00:46 | 感染症全般

近畿中央呼吸器センター 呼吸器内科の 倉原優 と申します。医療従事者の皆様が、患者さんに幸せを還元できるようなブログでありたいと思います。原稿・執筆依頼はメールでお願いします。連絡先:krawelts@yahoo.co.jp


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