COPDにおける好酸球性炎症の有病率
2021年 09月 13日
「好酸球性フェノタイプのCOPD」の有病率については大規模なデータが限られており、喘息患者さんにおけるCOPD合併の数値や、COPD患者さんにおける喘息合併の数値などさまざまあります。311万人という大規模なコホートにおいて、COPD全体における比率が明らかになりました。
個人的な意見ですが、末梢血好酸球数は好酸球性気道炎症を予測するパラメータとしては測定ごとのバラつきが大きいので、まだFeNOのほうがマシかなと思っています。
カットオフ値25ppbはちょっと信頼性に乏しく、実臨床的に確実に好酸球性気道炎症があると考えられるポイントは35~40ppbあたりかなと思います。51ppbのカットオフ値で2.9%とのことでした。
- 概要
■COPDは多様な表現型を持つ疾患である。好酸球性炎症を特定するための末梢好酸球の診断的有用性とともに、喘息の既往、末梢血好酸球数、FeNO値の上昇の有病率を調べた。
■2007年~2010年に実施された国民健康栄養調査データを分析した。40歳以上で、気管支拡張後の1秒率70%未満の被験者を対象とした。
■計311万617人の重み付けされたCOPD症例が確認された。男性が(64.4%)、非ヒスパニック系白人(86.1%)だった。COPD患者のうち、医師に喘息と診断されたことがある人は14.6%で、女性とその他人種のアメリカ人で多くみられた。
■末梢血好酸球増多の有病率は36%で、喘息歴のあるCOPD患者では38.3%、喘息歴のないCOPD患者では35.6%だった。平均FeNOは16.4±13.6ppbだった。FeNO≧25ppbの有病率は14.3%で、喘息歴のあるCOPDでは28.7%、喘息歴のないCOPDでは13.0%だった。≧51ppbにしぼると、有病率は2.9%となった。
■FeNO≧25ppbおよび末梢血好酸球増多の有病率は、喘息歴のあるCOPDと喘息歴のないCOPDを比較すると、喘息歴のあるCOPDで有意に高かった。
by otowelt
| 2021-09-13 00:11
| 気管支喘息・COPD