COVID-19:金銀潭医院における後遺症


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全体の4分の3が中等症II以上という、"地獄の金銀潭医院コホート"における後遺症の報告です。倦怠感、息切れ、ブレインフォグは有名ですね。しかし、rashは後遺症なのだろうか。

Yahoo!個人ニュース記事に、後遺症外来についてまとめています。

■長引く新型コロナの後遺症 知っておきたい後遺症外来 受診するタイミングは?(URL:https://news.yahoo.co.jp/byline/kuraharayu/20210820-00253270

■厚労省:新型コロナウイルスに関する相談・医療の情報や受診・相談センターの連絡先(URL:https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/covid19-kikokusyasessyokusya.html



  • 概要
■退院した患者におけるCOVID-19の長期的な健康影響の全容はほとんど明らかになっていない。本研究の目的は、COVID-19を発症した退院患者の症状発現後6ヶ月および12ヶ月の影響を比較することである。

■2020年1月7日~5月29日に中国武漢市金銀潭医院を退院したCOVID-19生存者を対象に、コホート研究を実施した。6ヶ月および12ヶ月の追跡外来受診時に、生存者は症状と健康関連QOLに関するアンケート調査を受け、生理学的検査、6分間歩行試験、臨床検査を受けた。退院後の医療サービスの利用状況と、12ヶ月後受診時の就労状況が報告された。6ヶ月後に肺機能検査を終えた生存者、または胸部X線写真に異常があった生存者に、12ヶ月後に再度検査を実施した。年齢、性別、基礎疾患をマッチさせたCOVID-19以外の参加者(対照群)にも調査を行い、症状と健康関連QOLを評価するためのアンケートに記入してもらった。主要アウトカムは、症状、mMRCスコア、健康関連QOL、6分間歩行距離(6MWD)とした。多変量ロジスティック回帰モデルを用いて、12ヶ月後の転帰のリスク因子を評価した。

■COVID-19生存者のうち1276人が6ヶ月および12ヶ月の外来受診を完了した(864人[68%]が酸素投与を受け、94[7%]が高流量鼻カニュラ酸素療法、非侵襲性換気、侵襲性人工呼吸管理)。患者の年齢中央値は59.0歳(IQR 49.0-67.0)で、681人(53%)が男性だった。少なくとも1つの後遺症がある患者の割合は、6ヶ月後の68%(831/1227人)だったが、12ヶ月後の49%(620/1272人)に減少した(p<0.0001)。mMRCスコアが1以上の呼吸困難を有する患者の割合は、6ヶ月後の26%(313/1185人)から12ヶ月後の30%(380/1271人)へわずかに増加した(p=0.014)。12ヶ月目時点で不安や抑うつ状態にあった患者は、6ヶ月目の26%(331/1271)から12ヶ月目の23%(274/1187)に増加した(p=0.015)。胸部CTで異常がみられたのは、酸素投与を必要としないCOVID-19例では6ヶ月後100%だったが、12ヶ月後は39%と減少した(p<0.0001)。酸素投与を要したCOVID-19例ではそれぞれ100%、40%だった(<0.0001)。重症例ではそれぞれ100%、87%だった(p=0.025)。6MWDについては、6ヶ月後および12ヶ月後で有意差はみられなかった。COVID-19罹患前に仕事をしていた患者の88%(422/479)が、12ヶ月後元の仕事に復帰していた。男性と比較して、女性は疲労または筋力低下のオッズ比が1.43(95%信頼区間1.04-1.96)、不安または抑うつのオッズ比が2.00(1.48-2.69)、拡散障害のオッズ比が2.97(1.50-5.88)だった。COVID-19生存者は、マッチ対照群と比較して、12ヶ月時点で、運動能力、痛みや不快感、不安や抑うつが多かった。

■COVID-19生存者の多くは、1年間の追跡調査で身体的および機能的に良好な回復を示し、元の仕事や生活に復帰していた。






by otowelt | 2021-09-02 00:14 | 感染症全般

近畿中央呼吸器センター 呼吸器内科の 倉原優 と申します。医療従事者の皆様が、患者さんに幸せを還元できるようなブログでありたいと思います。原稿・執筆依頼はメールでお願いします。連絡先:krawelts@yahoo.co.jp


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