COVID-19:中等症Iに対するファビピラビル


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PCR陰性が複合アウトカムに入っているので解釈に注意が必要です。ポジティブととるか、実臨床ベースに関してはネガティブととるか。


当初は退院基準になっていたPCR陰性確認ですが、現在は退院基準として用いることはありません(転院するときにどうしても取ってくれと言われることはありますが・・・)。

ファビピラビルを使用しすると回復が早いなという実感は個人的にはあまりなく、初日18錠というのもなかなか厳しいなと感じています。

とはいえ、どの薬剤も実臨床でつぶさに実感することはないのですが・・・。

コロナ病棟には新型コロナワクチン接種者がほとんどおらず、そういう意味ではワクチンは本当に効果的なんだろうなという実感はあります。




  • 概要
■COVID-19の原因であるSARS-CoV-2は、一本鎖RNAウイルスである。ファビピラビルは、RNA依存性RNAポリメラーゼを選択的に阻害することを経口投与可能な抗ウイルス薬である。

■COVID-19患者を対象とした予備的な試験では、多くの臨床パラメータにおいて有意な改善が報告されているが、これらの知見は十分な対照試験で確認されていない。我々は、酸素療法を要しない中等症IのCOVID-19肺炎患者を対象に、ファビピラビルの有効性と安全性を評価するため、ランダム化単盲検プラセボ対照第III相試験を実施した。

■体温37.5℃以上を記録してから10日以内の、中等症IのCOVID-19患者を、プラセボまたはファビピラビル(1日目に1800mgを1日2回、その後800mgを1日2回、最大13日間)の投与に1:2の割合でランダムに割り付けた。主要評価項目は、体温、酸素飽和度、胸部画像所見の改善、SARS-CoV-2 PCR2回連続陰性に復するまでの時間と定義された「複合アウトカム」だった。

■156人の患者がランダム化された。主要評価項目の期間中央値は、ファビピラビル投与群で11.9日、プラセボ投与群で14.7日であり、有意差があった(p=0.0136)。複合アウトカムのうち、胸部画像所見の改善までの時間(中央値)は、ファビピラビル群がプラセボ群よりも有意に短かった(p = 0.0287)。SARS-CoV-2 PCR2回連続陰性を達成するまでの時間(中央値)もファビピラビル群で有意に短かったが(p=0.0405)、体温、酸素飽和度については有意差は観察されなかった。ファビピラビルを投与された患者のうち、肥満や併発疾患などの既知の危険因子を持つ患者では、より良い効果が得られた。死亡例はなかった。有害事象はファビピラビル群では一過性のものが多かったが、発生率は有意に高かった。





by otowelt | 2021-09-01 00:21 | 感染症全般

近畿中央呼吸器センター 呼吸器内科の 倉原優 と申します。医療従事者の皆様が、患者さんに幸せを還元できるようなブログでありたいと思います。原稿・執筆依頼はメールでお願いします。連絡先:krawelts@yahoo.co.jp


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