COVID-19:大阪府の現状(9月3日)


全国的に新型コロナはややピークアウト感があると報道されていますが、現場では依然厳しい水準が続いています。大阪府は、重症病床患者数がじわじわと増え、第4波でアルファ型変異ウイルスにより医療逼迫(重症患者が重症病床に入院できなかった)につながった水準に到達しています(図1)。重症病床のキャパシティを大幅に増やしているとはいえ、まだ正式オープンしていない病床もあるでしょうから、現場としては結構しんどいと思います。前波より重症患者さんが増加する勾配が緩やかなのが救いですが、重症病床に転院した人がようやく軽症中等症病床に戻り始めた段階で、重症患者数は今後さらに増える可能性があります。大和川以北は、感染者と病床占有率が高い状況です。

COVID-19:大阪府の現状(9月3日)_e0156318_21402860.png
図1. 大阪府の重症患者数

軽症中等症病床は若い患者さんが多いためか、退院基準を満たせばすぐに帰宅するパターンが多く、ドドドっと入院してドドドっと退院する感じになっています。グラフもまるでノコギリみたいな感じです。やはり、週明けの退院が多いです(火曜日夕ベースのCSV更新で3ケタ人以上動きます)(図2)。第5波以降、一番逼迫しているのが軽症中等症病床であることから、インテックス大阪に1000床規模の臨時医療施設を開設する方針になりました(中等症約200床の予定)。第5波の逼迫を解消するというよりも、第6波以降を見越した案だと理解しています。

COVID-19:大阪府の現状(9月3日)_e0156318_21465874.png
図2. 大阪府の軽症中等症患者数

宿泊施設療養は過去最高の水準になっています(図3)。40歳以上や基礎疾患がある人に入所をしぼっていましたが、計8400室まで確保する見通しが立ち、制限を撤廃しました。これにより、自宅療養ではなく宿泊療養が積極的に可能な状況になりつつあります。

COVID-19:大阪府の現状(9月3日)_e0156318_21530822.png
図3. 大阪府の宿泊施設療養者数

第4波と比べて感染者の絶対数がかなり多い水準にあるため、保健所の業務逼迫が懸念されます。大阪市の業務負荷は相当大きく、第4波よりも2倍以上の人員を割いていますが、新型コロナ発生届から3~4日かかって着手するケースが出てきました。また、小児例については濃厚接触者などの調査は学校に任せざるを得なくなっています。感謝の言葉が届きにくい職場で、スタッフも疲弊されているかと存じますが、どうか無理なさらないでいただきたいと思います。いつも、本当にありがとうございます。




by otowelt | 2021-09-03 22:14 | 感染症全般

近畿中央呼吸器センター 呼吸器内科の 倉原優 と申します。医療従事者の皆様が、患者さんに幸せを還元できるようなブログでありたいと思います。原稿・執筆依頼はメールでお願いします。連絡先:krawelts@yahoo.co.jp


by 倉原優