COVID-19:免疫抑制剤の使用とCOVID-19の死亡リスク

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ベースラインで免疫抑制剤を使用しているCOVID-19患者さんのリスクについて調べたERJの論文です。3万6727人のうち、免疫抑制剤に曝露されていた患者さんは527人なので、集団としてはとても少ないと思います。

当院のコロナ病棟にも免疫抑制剤を内服した患者さんが入院してくることはまれです。



Ward D, et al. The effect of immunosuppressants on the prognosis of SARS-CoV-2 infection. European Respiratory Journal 2021; DOI: 10.1183/13993003.00769-2021

  • 概要
■免疫抑制剤はSARS-CoV-2感染症を悪化させる可能性がある。われわれは、デンマークにおいて、免疫抑制剤への曝露がSARS-CoV-2感染症の予後に及ぼす影響について、全国規模のコホート研究を行った。

■2020年2~10月のSARS-CoV-2検査陽性患者をすべて特定し、曝露された免疫抑制剤の処方箋を含む国内医療データをリンクした。入院、ICU入室、死亡の相対リスクを、傾向スコアマッチングをおこない交絡因子を補正した対数線形二項回帰で推定した。

■免疫抑制剤への曝露は、死亡リスクの有意な増加と関連していた(補正相対リスク1.56[95%信頼区間1.10-2.22])。死亡リスクの増加は主に全身性ステロイドへの曝露によるもので(補正相対リスク2.38 [95%信頼区間1.72-3.30])、入院リスクの増加(補正相対リスク1.34 [95%信頼区間1.10-1.62])とも関連していたが、ICUへの入室(補正相対リスク1.76 [95%信頼区間0.93-3.35])とは関連していなかった。全身性ステロイドの累積投与量が多いと、リスク上昇と関連していた。TNF-α阻害剤、IL阻害剤への曝露は、入院、ICU入室、死亡のリスク増加とは関連していなかった。カルシニューリン阻害剤、その他の免疫抑制剤、ヒドロキシクロロキン、クロロキンへの曝露もリスク増加とは関連していなかった。




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by otowelt | 2021-09-05 00:51 | 感染症全般

近畿中央呼吸器センター 呼吸器内科の 倉原優 と申します。医療従事者の皆様が、患者さんに幸せを還元できるようなブログでありたいと思います。原稿・執筆依頼はメールでお願いします。連絡先:krawelts@yahoo.co.jp


by 倉原優